お久しぶりです、元旦那様

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元侍女 リアナ

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お久しぶりです、元旦那様。覚えていらしたんですね。そう、貴方がクビにした女です。貴方の最初の恋人を虐めたとか言うありえない罪で紹介状もなしに放り出された可哀想な侍女です。

今となっては、私に味方した方が良かったでしょう?私が言った通り、あの女性は裏切り者だったでしょう?反省されました?

親切からの言葉でしたのに、私あれから大変苦労したのです。紹介状がなかったものですから。此方こそ慰謝料請求したいぐらいでしたわ。

フフ、冗談です、冗談。

え?どうしてここにいるのか、ですか。

私が此方で働いていた時のことで、聞きたいことがあると呼び出されたんです。エルナさんに。

彼女、今や侍女長なんですね。私に侍女の仕事を教えてくださったのは、エルナさんなんですよ。

私ですか?今は別のお屋敷で家庭教師をしています。侍女からは大出世でしょう?

幸運なことに、此方を辞めてから、運が向いてきましてね。ここだけの話、宝くじが当たりまして。学園に通えるようになったんです。

憧れの学園ですよ。私、貧乏男爵家の生まれでして。お恥ずかしながら、学園には通えなかったんですよ。卒業した後、婚約も決まり、婚約者の家から良いご家庭を紹介していただいて、今そちらのお嬢様の家庭教師をしています。

私、自分で思うより勉強が好きだったようで、侍女から家庭教師になるために、勉強したのです。

結婚は一年後なのですが、立食形式のガーデンパーティーで誰でも参加自由ですので、元旦那様も是非。

ただ、そちらの格好ですと、些か野生的過ぎますので、出来れば髭ぐらいは整えて来られた方がよろしいかと。

私、そろそろ行きますわね。少し用事がございますの。

あら。花屋の方のようですね。ほら、彼方に。庭師の方とお話ししていらっしゃる。旦那様は、ああいった清楚系は苦手なんでしたよね。ほら、あのイリス様を思い出すから。

いえいえ、意地悪で言っている訳ではございません。

奥様も所謂そちら系でしょう?だから苦手なのかと思いましたの。でなければ、奥様を放り投げ、別の女性に走る意味がわかりませんもの。

それにしても、この景色は変わりませんね。私、働いていた時、良く此方の庭を手伝っていたので、懐かしいです。

花屋さんが来られているぐらいですから、花壇は随分と色んな花で咲き乱れておりますわね。

花、といえば、花言葉。今教えているお嬢様が花言葉が大好きで、良く聞かれるのですわ。

私も花言葉なんて、これまでは考えたことすらありませんでした。

旦那様は愛人の方々に花を贈ることはございますの?

花より宝石やドレスなどを喜ぶ?まあ。それはそれは。

それはある意味仕方がないことかもしれませんわね。花を愛でるには人生に余裕がある必要がありますもの。

すみません。長々と。私の話に付き合っていただきありがとうございました。

では、失礼いたします。
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