そんなに悲劇のヒロインぶりたいなら手伝ってさしあげます

番外編

ダフィット様がおかしい

タイトルはなんだって仰いました？いつもだろうですって？まあ、そうですわね。いつも以上にだらけているのですわ。

液状化しているのです。私はダフィット殿下らしきものをせっせと集めては話しかけます。ご本人は、幸せそうなので、良いのですが、もうすぐ叔母様や癖の強い元クラッセン家の面々が来られるのですよ。もう少し原型を留めていただかなくては。

ついに、明日、私達は夫婦になるのです。明日は朝から大変でしょうね。クラッセン以外の貴族の方々が、無事でいることを祈るばかりです。王族の方も、大変ですわね。エリーザお姉様の婚約者の方は、物腰の低い方なので、上手に立ち回っていただけると信じてますわ。

実は出来る方ってエリーザお姉様もわかってらっしゃいますわ。この婚約者の方は、ずっとエリーザ様を一途に慕っていらした方です。ご友人として、常におそばにいらっしゃって、もし第一王子との婚姻が現実になるようでしたら、臣下として側にいよう、と思ってらっしゃったそうです。

まあ、素敵な方が、お姉様のお相手になってよかったですわ。エリーザお姉様も満更でもない様子でしたしご結婚されてからも、仲良しでいらっしゃって、私としては理想の、今後参考にしたいお二人です。

ダフィット様は、ようやく、人の形に戻りつつあります。結婚したら、王宮からお引越ししまして、賜った公爵邸に住むことになります。大方、荷物は運び込んでいるので、すぐにでも住み始めることは可能です。

王宮内で、私が暮らしていた時に、内装や、間取りなどをこうしてほしい、とたくさん注文したので、どうなっているかを見たいのです。夢みがちだとは思われないかしら。

私は末の娘と言うこともあって、可愛いお部屋で過ごしていたのです。エリーザお姉様の部屋はシックで大人っぽいのに、私の部屋は子どものようなパステル調で。それが少し不満だったのですわ。

だから、結婚したら、シックで大人っぽい感じにしたくて、色々試行錯誤したのですが、どんな風になっているのか、ドキドキワクワクしております。渋くしようとしすぎて、失敗していないか不安ですが、ダフィット様は一度ご覧になったようで、特に文句は無さそうなので大丈夫だと思うのです。

家のことばかり、考えてもいけませんね。後で、もう一度飲み物や料理の確認もしておかなくちゃ。

ようやくダフィット様は、いつものダフィット様に戻りました。明日からずっと一緒にいられるのです。


私は何て幸せなのでしょうか。
ダフィット様に負けずに、愛情を注いで参りますわ！




終わり


拙い文章を読んでくださりありがとうございました。意外に長引いてしまいました。機会がありましたら、また読んでいただけるとうれしいです！
　　　　　　　　　　　　　　mios