そんなに悲劇のヒロインぶりたいなら手伝ってさしあげます

mios

文字の大きさ
上 下
43 / 46
第二部 幸せに潜む奉仕活動

王女様

しおりを挟む
ようやく、抜け出せたわ。地下牢にはまともな見張りもいないなんて、馬鹿げてるわ。逃げてください、と言ってるようなもの。侍女は逃げたようね。主を放って逃げるなんてありえないわ。まずは王国を抜け出さなきゃ。

お父様に散々文句を言ってやらなきゃ。あの王子は手に入れられなくても、公爵家の男が手に入れば、と思っていたのに。どちらも手に入らないなんてそんなことある?しかも、魔法は効かないし、あの国では精霊達は、私の言うことなんて聞きやしない。あろうことかあのマリィっていう女に言いつける、とか言って邪魔ばかりする。

生意気よ。精霊も人間も。あのマリィとかいうのが、ダフィット様の相手なんて、たしかに見た目は可愛いけれどイマイチパッとしないじゃない?アレなら私の方が、大人っぽくて、色気もあると思うわ。ダフィットもあの公爵も、女の趣味が悪いのね。あんな子供がいいなんて。

小国から、使いが来なくなって、私達が追われていることを王宮の侍女から聞くなんてね。あの子は、元々小国のスパイだったらしいし、腕に記された模様も、小国のものだったから私も安心して逃してもらうことができたのに、なんで行く先先で、会いたくない奴らにあうのよ。


カルラ、だったかしら。第一王子の妃がはじめに潜伏した先に慰問か何かで、訪れて逃げたのがバレたし、その次はあの外交官の偉そうな女が、また逃げた先に、たまたま居合わせたし、極め付けは、孤児院に訪れたマリィよ。あんなに大きな声、普段出さなかったじゃない?

絶対に、わざとよ。

そんなだから、式を延期されるのよ。

私が一目散に走っていくのを、追いかけてくるものだから、騎士がどこかからでてきて、捕まってしまったのよ。本来なら、侍女は盾になる筈でしょ?

私なんて捨てて、走りさったわよ。

絶対にあいつは許さないわ。帰ったら、お父様やお兄様にどうにかしてもらうわ。楽に死ねないようにしてやる。

と言うか、そろそろ、迎えがきても良い頃じゃない?この場所であってるわよね。最近使いが来ないことも、ズバッと言わないといけないわ。本当に見ていないとすぐサボるんだから。

寒いんだけど。早くしてよ。

ようやくきたわね。初めてみる馬車だけど、私の名前を知っているみたいね。

中に乗り込むと、うっすらと土のような匂いがした。何の匂いかしら。

馭者も初めて見るわね。

「ねえ、どのくらいかかるの?」
結構長かった気がする。返事はないけれど、寝てしまおう。

何故か乗ってから酷く眠いのよね…
きっと疲れているせいね…
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

婚約破棄をいたしましょう。

見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。 しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。

結婚式をボイコットした王女

椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。 しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。 ※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※ 1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。 1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)

【完結】サポートキャラって勝手に決めないで!

里音
恋愛
私、リリアナ・モントン。伯爵令嬢やってます。で、私はサポートキャラ?らしい。 幼馴染で自称親友でヒロインのアデリーナ・トリカエッティ伯爵令嬢がいうには… この世界はアデリーナの前世での乙女ゲームとやらの世界と同じで、その世界ではアデリーナはヒロイン。彼女の親友の私リリアナはサポートキャラ。そして悪役令嬢にはこの国の第二王子のサリントン王子の婚約者のマリエッタ・マキナイル侯爵令嬢。 攻略対象は第二王子のサリントン・エンペスト、側近候補のマイケル・ラライバス伯爵家三男、親友のジュード・マキナイル侯爵家嫡男、護衛のカイル・パラサリス伯爵家次男。 ハーレムエンドを目指すと言う自称ヒロインに振り回されるリリアナの日常。 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 多人数の視点があり、くどく感じるかもしれません。 文字数もばらつきが多いです。

婚約したら幼馴染から絶縁状が届きました。

黒蜜きな粉
恋愛
婚約が決まった翌日、登校してくると机の上に一通の手紙が置いてあった。 差出人は幼馴染。 手紙には絶縁状と書かれている。 手紙の内容は、婚約することを発表するまで自分に黙っていたから傷ついたというもの。 いや、幼馴染だからって何でもかんでも報告しませんよ。 そもそも幼馴染は親友って、そんなことはないと思うのだけど……? そのうち機嫌を直すだろうと思っていたら、嫌がらせがはじまってしまった。 しかも、婚約者や周囲の友人たちまで巻き込むから大変。 どうやら私の評判を落として婚約を破談にさせたいらしい。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。

紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。 「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」 最愛の娘が冤罪で処刑された。 時を巻き戻し、復讐を誓う家族。 娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。

【完結】ご安心を、問題ありません。

るるらら
恋愛
婚約破棄されてしまった。 はい、何も問題ありません。 ------------ 公爵家の娘さんと王子様の話。 オマケ以降は旦那さんとの話。

処理中です...