そんなに悲劇のヒロインぶりたいなら手伝ってさしあげます

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うちの婚約者が可愛すぎる

第二王子の災難

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学園に入ってから一年は平穏だったのに、二年に上がってからエレナ嬢という虫がマリィに向かって来てしまった。どうやら、マリィが言わなくても、エリーザ様はご存知だったようで、私は公爵家に呼び出され、マリィに秘密で、報告をさせられた。

「最近面白い方がいるそうね?」エリーザ様の美しい笑顔だが、目が笑っていない。背筋が薄ら寒い。冷や汗が滝のように流れる。エリーザ様を煩わせる事態にはさせないように全力で、取り組む所存。エリーザ様に言われなくても、マリィに害をなす迷惑な害悪は、取り去るに限る。

彼女を調べたら、私と同じ転生者ではないか、と言う。そして、この世界を乙女ゲームの中の世界と認識しているとのこと。乙女ゲームって聞いたことはあるけれど、ヒロインがマリィではなく、他の人と言うのが気にくわない。マリィ以外に適任はいないと思うのだが。

乙女ゲームと言う世界ではないと知らしめるために、何が一番良いか、考える。マリィに苛められるなんてご褒美でしかないのだが、それは?と考えて適切な者達に思い当たる。乙女ゲームと言うのはよくわからないけれど、婚約者のいる男を奪うゲームらしいから、もしかしたら、エレナ嬢の目的は、私かもしれない。まあ、私がマリィ以外を好きになることなんて、まずないけれど。

エレナ嬢は、自分に凄く自信があるタイプらしい。目が悪いのかな?もしかしたら、鏡がないのかもしれない。

話したこともない男爵令嬢にふつふつと怒りが湧いてくる。

エリーザ様の元を辞した後、マリィを探したけれど、姿は見えなかった。エレナ嬢を見落とした私に対する嫌がらせだろう。マリィ不足でおかしくなりそう。明日まで待たなくてはいけない。明日は、授業を受けさせず、ずっと独占していたいけど、また叱られるのも嫌だから、我慢しなくてはいけない。マリィを早く私だけのマリィにしたい。すぐにでも攫ってイチャイチャ したいなあ。きっと絶対可愛い。

兄もエリーザ様も、私がマリィを愛しすぎたせいで、結婚しなくて済んだのだから、もっと感謝してくれても良いのだけど。命は惜しいので言わないが。私が死んだらマリィが悲しむ。それに、他の男にマリィを渡すことになるから絶対にしない。マリィは私のものだ。絶対に誰にも渡さない。

迷惑な男爵令嬢のことは、苛めるのが大好きな男達に任せることにした。マリィは苛めると言う意味がよくわかっていない。もし、教えなければいけないのなら、相手は私でなければならない。マリィの手を煩わせる唯一の人でありたい。できれば、最後の手段は取りたくないので、彼等で何とかなれば良いが。



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