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懺悔編
悪魔は分裂を繰り返す
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少年が最初に分裂したのは、父に打たれた時だ。毎日の日課の、鞭打ちは、少年の体に傷をつけ、体と心を切り離すスキルも身につけさせた。身体は痛いけれど、心は平穏でいられる。このスキルを使い、少年は生き延びた。
少年は、それから色々あって、孤児となった。聖教会の運営する孤児院に引き取られると、司祭様とお話したり、お手伝いをしたり、楽しい時間を過ごした。
孤児院では、身体と心を分ける必要はなかった。生きてきて一番幸せな時間だった。
ある日、司祭様の代わりとしてある神官が孤児院に訪れる。何人かの少年を連れて、孤児院を出て行く。不安で仕方ないが、司祭様の為だと言われて、断ることはできない。
身体と心を切り離す準備をする。
それは不要だと説明を受ける。今からすることは、身体と心を切り離すのではなく、さらに体を分裂させるのだと、言う。
理解が追いつかないが、神に仕える者ならできて当たり前だと言うからそうなんだ、と思う。少年は逆らわない。逆らうとより辛い目に合うことを知っている。
逆らわずに、自ら差し出した先にあるのは、目を覆いたくなる景色だった。
周りの少年たちの体が半分に引きちぎられる。まだ生きている者と、ばったり倒れたまま動かない者に別れ、そのうち、二つとも人間ではなくなった。
人間らしい方が、動かなくなる。人間でなくなった方と目が合う。ニヤリと笑うその姿は奇妙にも、自分を打っていた父の笑顔とよく似ていた。
今まで人間だったそれは、醜悪な笑い声を発し、神官を挑発する。
動かなくなった人間を、神官は失敗作だと言った。
薬を渡される。毎日一つずつ、カプセルを飲む。何日か飲みつづけると、また神官に呼ばれた。何故か体を拘束される。引きちぎられる、と思った時には、そんなことはなくて、ただ少年は二人に分裂していた。分裂と言うよりは、倍になった、と言うのが正しい。
少年は同じ姿でいる。が、動きはバラバラだ。考えたり行動したりする機能は別のようだ。
少し時間が経つと、少年は少年らしい人間に戻り、もう一人は人間の風貌はなくなった。
神官は興奮して成功だ!と叫んでいたが、悪魔を人間に取り込み、更に分裂させる実験を繰り返していたらしい。
だから少年の中には、いつ暴れだすかわからない悪魔と、ただの少年が同居している。
一度混じり合ったものが、再度離れようとも、混じり合った跡が必ず残る。
少年は悪魔であり、悪魔は少年だ。
見た目は誤魔化されても、本質は変えられない。
少年は、それから色々あって、孤児となった。聖教会の運営する孤児院に引き取られると、司祭様とお話したり、お手伝いをしたり、楽しい時間を過ごした。
孤児院では、身体と心を分ける必要はなかった。生きてきて一番幸せな時間だった。
ある日、司祭様の代わりとしてある神官が孤児院に訪れる。何人かの少年を連れて、孤児院を出て行く。不安で仕方ないが、司祭様の為だと言われて、断ることはできない。
身体と心を切り離す準備をする。
それは不要だと説明を受ける。今からすることは、身体と心を切り離すのではなく、さらに体を分裂させるのだと、言う。
理解が追いつかないが、神に仕える者ならできて当たり前だと言うからそうなんだ、と思う。少年は逆らわない。逆らうとより辛い目に合うことを知っている。
逆らわずに、自ら差し出した先にあるのは、目を覆いたくなる景色だった。
周りの少年たちの体が半分に引きちぎられる。まだ生きている者と、ばったり倒れたまま動かない者に別れ、そのうち、二つとも人間ではなくなった。
人間らしい方が、動かなくなる。人間でなくなった方と目が合う。ニヤリと笑うその姿は奇妙にも、自分を打っていた父の笑顔とよく似ていた。
今まで人間だったそれは、醜悪な笑い声を発し、神官を挑発する。
動かなくなった人間を、神官は失敗作だと言った。
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少し時間が経つと、少年は少年らしい人間に戻り、もう一人は人間の風貌はなくなった。
神官は興奮して成功だ!と叫んでいたが、悪魔を人間に取り込み、更に分裂させる実験を繰り返していたらしい。
だから少年の中には、いつ暴れだすかわからない悪魔と、ただの少年が同居している。
一度混じり合ったものが、再度離れようとも、混じり合った跡が必ず残る。
少年は悪魔であり、悪魔は少年だ。
見た目は誤魔化されても、本質は変えられない。
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