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終わりの会

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隣国で新しい王が誕生した。王位継承権第三位の第二側妃の産んだ第二王子だ。

王都で、盛大なパレードが催されている中、隣国との国境付近では、ひっそりと罪人を乗せた馬車が通り過ぎる。

王位継承権を争って、敗れた王女と王子は、公爵家の起こした陰謀に手を貸した罪で、捕らえられたのだ。

事件の黒幕である公爵令嬢ソフィア・デーツは、国王陛下、王妃を暗殺しようとし、隣国の王太子を害そうとした罪で、王女はそれを幇助した罪、王子は逃がそうとした罪だ。

彼らは、王妃と、第一側妃の失脚を目論んでおり、彼女達の子飼いに罪を擦りつけるつもりだった。

そのために、クロエとダミアンと言う側妃と王妃に懐いている二人に、洗脳魔法をかけ続けた。

クロエの体調が崩れたのは、洗脳魔法が効きすぎたためで、自業自得とも言えるが、ソフィアにはそれだけが、要因ではない、とわかっていた。


「結局、隣国に逃げようとしたのが、そもそもの間違いよね。」

今ならはっきりとそう言える。

ソフィア自身は自分の能力を疑っていなかった。特別な力を、自分以外が使えるとは思っていなかった。しかも、自分より強く、自分より正確にコントロールできるなんて。

隣国の第二王子はキレ者。第一王子は、うつけ者。そう聞いていたのに。


腹の立つ男達だわ。


自分の叔母を攫ったあいつらも、始末しようと思っていたのに。


ソフィアは自分と道連れに罪人になった二人に目を向ける。

兄の第一王子は、どこかホッとしていて、朗らかな顔をしている。王女も同じ清々しい顔つき。

自分だけが、劣等感に苛まれて生きていくのだ。

ソフィア達に与えられた罰は、生きていくことだ。どれだけ過酷な状況でも生きること。誰の助けもない、誰にも知られていない土地で生きること。


あの日、第二王子に問い詰められた時、王女が私を隠れさせようとしていた場所に、向かっている。彼女は、私の罪を知りながら、罪を被るつもりだったのだ。

彼女には恨みがあった。仲良くしたのも、利用してやろうと思ってのことだったし、騙してる罪悪感すら湧かなかったのに。

結局は自分が甘かった。王女も王子も、失いたくない、と思ってしまった。駒として考えていた最初の、一人の頃からずっと欲しくて堪らなかった居場所を彼女達は与えてくれたから。

私は罪を犯しすぎた。本来なら処刑されて然るべきところを、隣国の憎い王子達に助けて貰ったとは言え、私は後戻りできないところまで来てしまっていた。



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