悪い人のための収益不動産投資マニュアル

Ｓｔｅｐ1 収益不動産投資をするための準備

不動産屋と話そう

さて、貴方が馬鹿丸出しで不動産屋、つまり仲介業者に行くとしましょう。

賭けてもいいですが、邪険に追い払われるか、適当にクソ物件の資料を渡されて終わります。

運良く話を聞いてもらえて、条件を提示して売り物件の情報探索をお願いしたとしても、99％の確率で、仲介業者は貴方が出した条件以外の物件を薦めてきます。

たまたま抜群の物件が出てきました！
今このタイミングしかありません！
貴方は実に運がいい！

などと言ってくるはずです。

しかし決して「じゃあ、ちょっと詳しい話を聞かせてください」などとは言ってはいけません。

貴方は素人で初見でお金もほとんど持っていないのです。
そんな貴方に仲介業者は真面目に物件を紹介したりはしません。

会話の入り方から説明します。

「祖父からちょっとした大金を遺贈されたので、前から気になっていた収益不動産投資という物にチャレンジしたくなりました」

こんな感じで切り出せば、仲介業者は居住まいを正して貴方と話をしようとするはずです。
貰った大金とやらの具体的な金額は言う必要はありませんが、数千万円の設定にするのが妥当でしょう。
それ以下だと『本当の』収益不動産投資を始めるには心許ないですし、それ以上だと信憑性が薄れます。

そして貴方は続けます。

「大きい物が欲しいので、金融機関から融資を受ける前提で物件を探して欲しいです」

仲介手数料は大体6万円＋物件売買額の3％ですから、物件の売買額が高くなればなるほど仲介会社の収入が増えます。
2千万円の物件を買う話よりも、2千万円の自己資金と8千万円の融資で1億円の物件を買う話の方が熱が入るのは当然でしょう。

このあたりで今まで出てこなかったお茶が出てくるはずです。
場合によっては茶菓子まで出てくるかもしれません。

しかしこれではアホ面した素人が、ネギを背負ってやってきた鴨に変わっただけで、扱いに大差はありません。

「大阪で不動産屋を営んでいる叔父から、～～～という条件の物件が良いと薦められたので、そういう物件の情報を下さい」

このように、プロのブレーンの存在をちらつかせれば、相手は「おっ、これはうかつにクソ物件を紹介できないぞ」と思うはずです。また、その条件付けには何らかの意味があるのだと考え、野暮な質問はしてこないはずでしょう。

ちなみに親戚の所在は、貴方が東京に住んでいるならば大阪、大阪ならば東京、という風にちょっと遠くにいることにするのがミソです。
あんまり近くの設定にすると連れてきてくれと言われたり、社名を教えてくれと言われるかもしれません。それで嘘がばれると元も子もないですからね。

「叔父さんとも相談して購入物件を決めるので、条件に合う物件の資料以外はいらない」

こうきっぱり言えば、相手も条件に合わないクソ物件を紹介してくることは少ないでしょう。

ここでポイントなのは、条件が合うならば多少のクソ物件でも構わないという点です。
これを忘れないで下さい。

「別に今すぐじゃなくてもいいけど、～～円ならばこの物件を売りたい」
「金が欲しいので物件を売りたいが、他人に懐具合を疑われるのは困るので、情報を公開せず、秘密裏に買主を探して欲しい」
こんな依頼をオーナーから受けている仲介業者は結構います。
必ず複数の仲介業者を回るようにしましょう。
ただ、あんまり条件の良い物件は疑った方が良いです。
そんな物件は貴方にではなく、もっと取引の深い先へ紹介するのが普通なのですから。

悪い物件はダメ。良すぎる物件も疑わしい。どうしろと言うんだ！と思いましたか？
実際問題、物件の良し悪しは買った後にしかわかりません。不動産投資はバクチです。

失敗したら破産して今以上に冴えない生活を続ける、成功したらラッキー。そう割り切って下さい。