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99.装備披露
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何とかマティスも落ち着き、シリルの経験を積ませるためにも冒険者ギルドへ行く事にした。
「薬草採取は道中にもやったから大丈夫だろう。あとは実戦経験を積みながらランクを上げるのを目標にすればいい」
「わかった」
「新しい装備を手に入れて興奮しているのはわかるが、落ち着くように。お前達もだぞ」
シリルだけでなく、装備しているショートソードをチラチラと抜いては剣身を見ていた双子も、マティスにジロリと睨まれて慌てて頷いた。
やはりこういう姿は男の子なんだなぁ、などとホッコリしながら見守り、ついていく。
そして冒険者ギルドに到着すると、なにやら注目されている。
視線の種類は一つではない。
まずは私も含め、新調された装備に対する妬みと称賛。
妬みに関してはきっと私とシリルにだろう、冒険者としての佇まいがどうしても素人くさいというか、隙だらけに見えるのだと思う。
そんな私とシリルが見るからにいい装備に身を包んでいれば、仕方がない。
そして単純にこの町では新参者なので、まだ私達を見た事がない冒険者も結構いるはず。
まぁ、これに関してはダンジョンが復活したら新顔が大量に増える事だろう。
今後の人口増加を考えれば、先に家を買っておいて正解だったかもしれない。
あとは昨日の騒ぎを知っている人。
特にマティスは態度の悪いギルド職員をやり込めているから、きっと一目置かれていると思う。
そんな視線にさらされながら、私達は依頼掲示板の前で依頼を確認する。
「うわぁ、この森って死蜘蛛出るんだね。この前遭遇しなくてよかった~! オイラあんまり大きい魔物って苦手だから」
「え? 死蜘蛛って大きいの? 手より大きい?」
大きい蜘蛛と聞いて想像するのは、タランチュラみたいな脚が太い蜘蛛。
リアムが大きい魔物と言ったから、不思議に思って聞いた瞬間、周囲の冒険者が爆笑した。
「おいおい、死蜘蛛が手の大きさだってよ!」
「そいつぁ素材にゃできねぇな! わはははは」
普段なら私がバカにされたら怒る皆が苦笑いしている。
どうやら本当に見当違いな事を言ったらしい。
「あ~……、うん、そんな大きさではないかな……」
言葉を選ぼうと目を泳がせながら、リアムが苦笑いを浮かべている。
その時ギルドの奥からギルドマスターのジョセフが姿を見せた。
「なんだぁ? えらく盛り上がってるじゃねぇか……って、おいなんだその装備は!! どこで手に入れた!?」
「うわっ!?」
ギルドマスターのスピードは体型からは想像できないくらい素早かった。
私達の一番後ろにいたシリルの装備を剥ぎ取らんばかりに、両肩を掴まれ迫られている。
「はいはい、そういう事は詮索しないのが暗黙の了解じゃないの!?」
これまでは敬語で話していたけど、こういう強引な態度で来るなら話は別だ。
二人の間に腕を差し込み、ギルドマスターを止めた。
「だがこれは……! ハッ! さすがにここでは何だ、ちょっと奥の部屋に来てくれ」
もしかして私が思っているよりすごい装備なんだろうか、すでにギルドマスターの登場で注目されまくりで、今更隠す事もできないからどうしようもないんだけど。
一抹の不安を抱きつつ、昨日も入った部屋へと向かった。
「薬草採取は道中にもやったから大丈夫だろう。あとは実戦経験を積みながらランクを上げるのを目標にすればいい」
「わかった」
「新しい装備を手に入れて興奮しているのはわかるが、落ち着くように。お前達もだぞ」
シリルだけでなく、装備しているショートソードをチラチラと抜いては剣身を見ていた双子も、マティスにジロリと睨まれて慌てて頷いた。
やはりこういう姿は男の子なんだなぁ、などとホッコリしながら見守り、ついていく。
そして冒険者ギルドに到着すると、なにやら注目されている。
視線の種類は一つではない。
まずは私も含め、新調された装備に対する妬みと称賛。
妬みに関してはきっと私とシリルにだろう、冒険者としての佇まいがどうしても素人くさいというか、隙だらけに見えるのだと思う。
そんな私とシリルが見るからにいい装備に身を包んでいれば、仕方がない。
そして単純にこの町では新参者なので、まだ私達を見た事がない冒険者も結構いるはず。
まぁ、これに関してはダンジョンが復活したら新顔が大量に増える事だろう。
今後の人口増加を考えれば、先に家を買っておいて正解だったかもしれない。
あとは昨日の騒ぎを知っている人。
特にマティスは態度の悪いギルド職員をやり込めているから、きっと一目置かれていると思う。
そんな視線にさらされながら、私達は依頼掲示板の前で依頼を確認する。
「うわぁ、この森って死蜘蛛出るんだね。この前遭遇しなくてよかった~! オイラあんまり大きい魔物って苦手だから」
「え? 死蜘蛛って大きいの? 手より大きい?」
大きい蜘蛛と聞いて想像するのは、タランチュラみたいな脚が太い蜘蛛。
リアムが大きい魔物と言ったから、不思議に思って聞いた瞬間、周囲の冒険者が爆笑した。
「おいおい、死蜘蛛が手の大きさだってよ!」
「そいつぁ素材にゃできねぇな! わはははは」
普段なら私がバカにされたら怒る皆が苦笑いしている。
どうやら本当に見当違いな事を言ったらしい。
「あ~……、うん、そんな大きさではないかな……」
言葉を選ぼうと目を泳がせながら、リアムが苦笑いを浮かべている。
その時ギルドの奥からギルドマスターのジョセフが姿を見せた。
「なんだぁ? えらく盛り上がってるじゃねぇか……って、おいなんだその装備は!! どこで手に入れた!?」
「うわっ!?」
ギルドマスターのスピードは体型からは想像できないくらい素早かった。
私達の一番後ろにいたシリルの装備を剥ぎ取らんばかりに、両肩を掴まれ迫られている。
「はいはい、そういう事は詮索しないのが暗黙の了解じゃないの!?」
これまでは敬語で話していたけど、こういう強引な態度で来るなら話は別だ。
二人の間に腕を差し込み、ギルドマスターを止めた。
「だがこれは……! ハッ! さすがにここでは何だ、ちょっと奥の部屋に来てくれ」
もしかして私が思っているよりすごい装備なんだろうか、すでにギルドマスターの登場で注目されまくりで、今更隠す事もできないからどうしようもないんだけど。
一抹の不安を抱きつつ、昨日も入った部屋へと向かった。
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