偶然は大抵が必然らしいです~私は攻略対象ではありません~

樹林

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「アル様、これをどうぞ」
「なに?」

ここは中立地帯にある、全ての国の15~18歳までの子供達が3年間を過ごす全寮制の学園。

「今日は自習室でお勉強でしょう?このマナ薬は集中力があがりますよ」
「ありがとう。勉強が捗るのは助かるよ」
「へへっ」

隣の部屋になった大金持ちの商会の跡継ぎであるカズサどは同郷だからかすぐに意気投合し、マナ薬野研究オタクのカズサにはよく眠れるロウソクや今のように集中力アップのマナ油やらを貰う事が多いんだよね。

試験が終わったばかりだから自習室に人気はなく、早速加湿器にマナ油を垂らそうとして─────小瓶が割れた。

「・・・脆すぎない?」

割れたというか粉砕した小瓶は欠片すら残さずに消え去り、残るは加湿器にべったりとかかった大量のマナ油だけ・・・というか、何この匂い!

窓を開けないと・・・目の前が朦朧として息が荒くなる。
毒でも入れた?いや、カズサはそんな奴じゃない。

窓の鍵を開けようと手をかけようとした時、誰かが学習室に入って来た。

「人がいたのか。ってなんだこの臭い」

何処かで聞いた事のある声だけど、顔を上げるのが辛くて俯く私にその人物が近寄って来る。

「おい、大丈夫なのか?」

耳に息がかかる程の距離で言うな!
やめろ、私に近寄るな!

そう言いたいけど、私の口から出てくるのは吐息だけ。
その吐息に熱がこもっている事は理解している。

「先に謝っておく」

そう言うのと同時に男が私を抱きしめる。
いつの間にか伸びた髪をくるくると指に巻き付けて口付けを落とし、そのまま首筋まで唇を持って来て這わせる。

「や・・・め、て」
「無理」

無理じゃない!と必死に顔を上げると、そこには学園で一番人気のある龍人族のグレン皇太子の顔があって、そのまま私の唇を奪う。

「む、むうっ!」

文句を言おうと口を開くとグレン皇太子の舌が入って来て口の中を 蹂躙し、舌を絡めて来る。

駄目だ、逃げられない。
体に力が入らなくて崩れ落ちそうになる私の腰を引き寄せたグレン皇太子がやっと離れたと思ったら、器用に制服の上着を脱いで机に置いて私をそっと寝かせた。

「お前、この臭いが何か分かってるのか?」
「分から、な、い」
「陥れられたのか・・・」

耳を食むな!胸を揉みしだくな!・・・というか、いつの間に私は女になった?
私は吸血鬼族だけど、私だけは特殊な体質に生まれてしまった為にこれまで性別がなかった、なのに女に?

ビリッ、ビー─────

ボタンを外すのがもどかしかったのか、グレン皇太子がワンピースを一気に破った・・・龍人族ヤバい、下手に抵抗したら丸呑みにされそう。

「肌が真珠みたいに光ってる」

うっとりとした声を出さないで!
ちょっ、摘むな・・・吸わないでぇぇぇ!

最初は乳房の輪郭を、次に乳輪を弄んでいた指がキュッと乳首を摘んで、反対側を思いっきり口に含んで舌で転がし、吸う。

「やめ・・・今なら間に合い、ます」
「無理、俺はお前が欲しい」

ワンピースの中に手を突っ込むのを力の入らない両手で阻止しようとしたけど、私の手をまとめて同じく破り捨てた自分のシャツでくるくると巻いたからビックリして固まる。

・・・女になった瞬間奪われるとか、ないわ!

後ね、グレン皇太子殿下って物腰の柔らかな爽やか皇太子じゃなかったっけ?


















月を思わせるプラチナブロンドの髪、潤んだピンクコーラルの瞳、赤く紅潮した頬、こんなに綺麗な女は見た事がないぞ?どこに隠れていた?

俺の下にいる女はこの世のものとは思えない程に綺麗で、媚薬など精神力で何とかなる筈の俺はこの女の色香に酔った。

あれ、もしかしてこれってゴー・・・カ、ゴホン。

理性の叫びは女の甘い匂いと媚薬で頭の端に追いやられ、どこもかしこも甘い女の体を隅から隅まで堪能する。

一番匂いの強い場所に指を這わせるとクチュリと隠微な音を立てて更に匂いが強くなったから、女の足を持ち上げて頭を突っ込んだ。

甘い─────もっと、もっと欲しい。

「駄目」「やめて」という声も甘くて自身がズボンの中で爆発しそうだが、これは流石に恥ずかしいから必死に絶えて女の味を堪能する。

「や、だぁ」

ツプリと狭い割れ目に人差し指を入れると女が体を硬直させる。
処女か─────よく今まで無事でいられたな。いや、だから媚薬なんか盛られたのか。

残念だな、この女の初めてはだ。

自慢じゃないが俺のモノはデカいから、小さな突起を舌で転がしながら指を増やして女のナカを堪能しつつ、焦るな、焦るなと自分に言い聞かせる。

処女なのに媚薬を盛られ、見知らぬ俺に操を奪われるこの女は─────名前、呼べないと不便だな。

「俺はグレン・アインホルン。お前は?」
「・・・アル、アルルージュ・V・シャント・・・レル」
「アルルージュ、入れるぞ」
「駄目、今なら間に合います」

まだ言うか?
俺は学園に親衛隊がいる程に人気があるし、どうにかして俺を手に入れようと画策する女もいるのに、どうしてアルルージュは落ちない?

「もう無理、文句ならお前に媚薬を盛った奴に言え」

違う、俺この女を欲しいんだ。
人のせいにするとか俺ってもしかして最悪?

そうは思っても体は止まらず、アルルージュの中に自身を侵入させる。最初は浅く、まだ痛みもそこまでではないようだから、焦るな、焦るなと呪文のように繰り返しながら柔らかでよく締まる浅瀬を行ったり来たりさせていたが、アルルージュの「んっ」という甘い声に理性が完全に切れる音がした。

「痛んだらすまない」と一応言ってグッと自身を奥まで進める。
抵抗するその場所を通過させると「ひぁっ」と可愛い声を上げて体を硬直させたから、豊かな乳房に舌を這わせて吸い、それから甘い口を堪能し、アルルージュの硬直がおさまるのを待つ。

ヤバい、持っていかれそうだ。
が溶けそうな位に気持ち良い。
すぐにでも腰を動かしたい、アルルージュを蹂躙したい、を孕ませたい。

ん?孕ませたい?

 「ふぁっ・・・ん」

自分の思考に体が揺れると、痛みで白くなっていたアルルージュの頬に赤みが差し、それに伴って匂いが強くなるともう止まらない。

「アルルージュ、名前を呼んで」
「グレン、皇太子殿下」
「皇太子は必要ない、グレンと・・・くっ」
「グ、グレン、様」

様もいらないが、いきなり呼び捨てに出来るのは位だろうし仕方ない。

俺が動くとアルルージュの形の良い乳房が揺れ、舐めすぎてヒカル小さめの乳首が光る。

段々と反応もよくなって来たな。

アルルージュの全てを堪能したくて、尻を掴んで抱きかかえるように立ち上がり、下から突き上げながら甘い匂いと声を発する口を奪う。

喰いたい、もっと、もっと、もっとだ。

「アルルージュ、ナカに出してもいいか?」
「駄目!」

快楽に潤んだアルルージュの瞳がスッと冷える。
俺のタネが欲しくないのか?お前はなのに?

そう思った瞬間、カチリと頭の中にパズルの最後のピースがはまる音がした。

そうだ、この女は─────アルルージュは俺のモノだ。

グイッと奥に自身を押し付け、盛大におれの形になったナカに放出すると、アルルージュもその熱にイッたらし「あ、あああ、駄目ぇ」と体を仰け反らせた。

俺のモノ、俺の唯一モノ

そう認識すると心も体も止まらず、外に控えていた執事のアスランから「猿ですか?」という冷たい声と視線を投げられたのは仕方がない。

童貞だったのも、何度目かの絶頂で気絶したアルルージュが可愛すぎて最後の1滴が最奥に入るまで自身を抜けなかった猿なのも事実だから言い訳はできないが・・・。
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