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終わりと始まり
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遠い昔、勇気ある人間が異界の者にこう提案した。
毎年4月に200名の犯罪者を贄に寄越すから、見境なく人間を襲うのはやめてくれと。
それを聞いた5人の王は、邪悪な人間を送るならと了承したわ。
異界は色んな次元に繋がっているから、5人の王は8つの次元で同じ約束を取り付けたのよ。
でも、邪悪な筈の人間達の中には更生できる者も含まれていてね·····王達は約束違反だと言い始めて、神の使いとして1人の天使が王達に提案したのよ。
「現世にはゲームという物がある。それを利用して更生できる者とそうでない者に振り分ければどうか」
とね。
王達はその話に乗る代わりに人数を100人上乗せするように言い、人間は「必ず300人用意するが減っても文句を言うなよ」と言って了承したわ。
この学園はね、そうである者とそうでない者を振り分ける為にあるの。
差し出された瞬間に彼らは18歳の高校3年生になり、何らかの高校が舞台のゲームの登場人物になるのよ。
それぞれに合ったものを選ぶから、同じクラスでも参加しているゲームは違うものになるんだけど、変わらないものが一つだけある。
それが私の存在。
私はね、学校のマドンナ的存在になるようになってるの。
高校が舞台のものにはそういう存在がつきものだ!って人間が言い始めたせいだけど、それを面白がった王達が私を視認できない人間には何をしても構わないようにしようと提案したのよ。
人間達は真っ青になっていたけど、私はそれを了承したわ·····私は神に遣わされた天使であり、5人の王に愛される堕天使でもあるからうってつけだもの。
5人の王の血を飲まされた以上は天界に戻る事はできないけど、人間を喰らわないのは最後の抵抗であり天使としての矜恃。
だから、王達は嫌がらせで私に最後の台詞を言わせるの。性格が悪いったらないわよ!
異界の者はたった1人の異種族しか愛せず、その相手から愛の言葉を声に出して囁かれると次の生へと旅立てるのだけど、そんなのズルいわよね。
私だけが異界に取り残されるなんて絶対に無理だから、私が彼らを愛し始めているのは秘密よ。
「紗夜、次の新入生が来るよ」
「少しは休ませて欲しいんだけど·····」
「しかし、紗夜の瞳を見たら催眠が解けるというのは盲点でしたね」
「俺達の本当の姿を見たら狂死するなんざ、人間は弱っちいな」
「人間には各々の好みの顔に見えるんだ。それでいいだろ」
「そうそう、紗夜の本当の顔を知るのは僕達だけでいいんだよ」
「「「「その通り」」」」
そして、私達はまた宴へと繰り出す。
彼らに喰われたくなければ同種族を殺す事をやめればいいだけだけど、人間というものは愚かで毎年300人でも少ないかも·····と人間の代表が言って来てたから、異界の者達の舌がますます肥えそうな気がするわ。
王達は毎年喰らってるせいでグルメになってるし、あの3人は不味い人間を喰らった時の口直しなのよね·····チビチビ食べられるのって痛そうだけど、3人合わせて100人も殺してるんだからその痛みを知る為には必要な時間かも。
1000万人分の死の痛みを知るまで死ねそうにないけど。
取り敢えず、続編があるものは要注意ね。
今回のようになるのはもうコリゴリだわ·····煩いもの。
さてと、これも私の役目だから言わないと。
「ゲームスタート」
毎年4月に200名の犯罪者を贄に寄越すから、見境なく人間を襲うのはやめてくれと。
それを聞いた5人の王は、邪悪な人間を送るならと了承したわ。
異界は色んな次元に繋がっているから、5人の王は8つの次元で同じ約束を取り付けたのよ。
でも、邪悪な筈の人間達の中には更生できる者も含まれていてね·····王達は約束違反だと言い始めて、神の使いとして1人の天使が王達に提案したのよ。
「現世にはゲームという物がある。それを利用して更生できる者とそうでない者に振り分ければどうか」
とね。
王達はその話に乗る代わりに人数を100人上乗せするように言い、人間は「必ず300人用意するが減っても文句を言うなよ」と言って了承したわ。
この学園はね、そうである者とそうでない者を振り分ける為にあるの。
差し出された瞬間に彼らは18歳の高校3年生になり、何らかの高校が舞台のゲームの登場人物になるのよ。
それぞれに合ったものを選ぶから、同じクラスでも参加しているゲームは違うものになるんだけど、変わらないものが一つだけある。
それが私の存在。
私はね、学校のマドンナ的存在になるようになってるの。
高校が舞台のものにはそういう存在がつきものだ!って人間が言い始めたせいだけど、それを面白がった王達が私を視認できない人間には何をしても構わないようにしようと提案したのよ。
人間達は真っ青になっていたけど、私はそれを了承したわ·····私は神に遣わされた天使であり、5人の王に愛される堕天使でもあるからうってつけだもの。
5人の王の血を飲まされた以上は天界に戻る事はできないけど、人間を喰らわないのは最後の抵抗であり天使としての矜恃。
だから、王達は嫌がらせで私に最後の台詞を言わせるの。性格が悪いったらないわよ!
異界の者はたった1人の異種族しか愛せず、その相手から愛の言葉を声に出して囁かれると次の生へと旅立てるのだけど、そんなのズルいわよね。
私だけが異界に取り残されるなんて絶対に無理だから、私が彼らを愛し始めているのは秘密よ。
「紗夜、次の新入生が来るよ」
「少しは休ませて欲しいんだけど·····」
「しかし、紗夜の瞳を見たら催眠が解けるというのは盲点でしたね」
「俺達の本当の姿を見たら狂死するなんざ、人間は弱っちいな」
「人間には各々の好みの顔に見えるんだ。それでいいだろ」
「そうそう、紗夜の本当の顔を知るのは僕達だけでいいんだよ」
「「「「その通り」」」」
そして、私達はまた宴へと繰り出す。
彼らに喰われたくなければ同種族を殺す事をやめればいいだけだけど、人間というものは愚かで毎年300人でも少ないかも·····と人間の代表が言って来てたから、異界の者達の舌がますます肥えそうな気がするわ。
王達は毎年喰らってるせいでグルメになってるし、あの3人は不味い人間を喰らった時の口直しなのよね·····チビチビ食べられるのって痛そうだけど、3人合わせて100人も殺してるんだからその痛みを知る為には必要な時間かも。
1000万人分の死の痛みを知るまで死ねそうにないけど。
取り敢えず、続編があるものは要注意ね。
今回のようになるのはもうコリゴリだわ·····煩いもの。
さてと、これも私の役目だから言わないと。
「ゲームスタート」
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