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第一章

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起き上がり、コップに水を注いで口に含むと更に頭がスッキリし、熱が急激に下がって行くのが分かる。

『パパ、手遅れだわ』

『たった7日で神化するなど早すぎる!体に異変はないのか?』

『ないわ。見えるものが違うのと、体が発光している位かしら』

『そうか、なら戻すぞ』

『それはもうできないわ』

『どういう意味・・・まさか、お前は』

『ええ、パパの想像通りよ』

『それでもお前は俺の娘だ。いいか、今回は諦めてやるが絶対に連れ戻すからな!』

言い終わるのと同時に、パパは通信を切ってしまい、苦笑を浮かべながらベッドから降り、部屋の中央に立ち周囲を見渡すと、小さな生き物ミルク達が私の周りにひれ伏し始めた。

「堅苦しいのは必要ないわ。初めまして、幼子達。これからよろしくね」

「我ら一同、主様のお帰りを心よりお待ち申し上げておりました」

「ええ、ありがとう。随分と長く眠っていたように感じるけど、おかけでスッキリしてるわよ」

「それはようございます。して、我らに何か用向きはございますでしょうか?」

白銀しろがね、いつも通りの話し方でいいわよ。堅苦しいのは嫌だと言ってるでしょ」

「主さんがそんなんやから、部下に示しがつかへんねんで?まあええけどな」

黒銀くろがねは?」

「主さんのお父ちゃんの世界の偵察しとるで。なんや、あっちでえげつないのんが動いとるからな」

「暗黒の子供かしら?」

「せや、あれはきっしょい生き物やで。母親が闇の巫女やしな」

「そう・・・こっそり見に帰るのもいいかもね」

「サーヤ、起きてる?声が聞こえたけど誰かいるの?」

コンコンとノックの音と共に、百合の声が聞こえる。
いつもは同時に扉を開けるのに、今日はさすがに遠慮したようね。

「ううん、誰もいないわ。熱が下がったから声を出してみたの」

「じゃ、入るね!」

扉を開けて入ってくる百合の後ろには、宮ノ森君と鷹司君もいて、私は慌ててベッドに潜り込んだ。

「百合!人がいるなら言ってくれないと!」

「あ、ごめーん」

テヘッと舌を出して口だけの謝罪をする百合は、人の気持ちに鈍感な所があると今なら分かる。
驚かせたいのではなく、言わなければとも思ってはいない・・・白銀達と話す時は気をつけないと。
声を出さなくても話せるけど、それは通信だけにしたいしね。

「ごめんね。連絡した方がいいって言ったんだけど、この2人が大丈夫って聞かなくてさ」

「別にいいだろ。パジャマ位姉貴ので見慣れてるしな」

「宮ノ森君は慣れてても、見られる私は慣れてないわよ?」

似た者カップルってこういうのを言うんでしょうね。
溜息をつきそうになるのを耐えながら、3人に席を勧める。百合はもう座ってお菓子を開けてつまんでる・・・あれ?この子ってお嬢様よね?

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