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第一章
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「嵯峨山さん、ありがとうございました」
「お嬢様方、行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
運転手つきって凄いよね。
天司家に慣れたせいで普通の家のように感じてたけど、百合の家もお金持ちだったわ・・・。
「竜宮様、おはようございます」
「おはようございます」
百合に声をかけてきた女の子達は、私の事をジロジロと値踏みするように見てる。
どこも同じだなーと思いながら微笑むと、リーダーっぽい子が百合に聞いた。
「竜宮様、失礼ですがこちらの方は?」
「私の妹よ。竜宮桜純と言うの。くれぐれもよろしくね」
「竜宮桜純と申します。よろしくお願い致しますね」
これ以上聞くなという威圧感を出す百合は、家にいる時と全くの別人で驚いたわ。
友達になったのは、私が百合の家の庭にボールが入って取らせてもらった時なのよね。
学校は違ったけど気が合って、その頃は学校が怖いと言っていたのに、この成長ぶりはすごいわ。
「そ、そうですのね。桜純様、よろしくお願い致しますわ」
笑顔でその場を後にする百合は、ペロリと舌を出して笑って、小声で話し始めたわ。
「強くなったでしょ?サーヤがいなくなってから頑張ったの。行方不明になってサーヤが受けた仕打ちを聞いてからはもっとね。あの子達は私をいじめてた筆頭なんだけど、今は大人しくしてるのよ」
「そうだったのね。すごく驚いたわよ?私の可愛い百合が!って」
「もう!サーヤひどいわ!」
2人で笑いながら職員室へと向かい、案内してくれた百合は先に教室へ、私は担任の前田先生から軽く説明を受けてから一緒に教室へと向かった。
百合と同じクラスだと聞いているから少し気楽だけど、やっぱり初めての時は緊張するわね。
先生が扉を開き、私はその後ろをついていく。
全員の視線が私に集まるのが分かり、顔が赤くなっていないように祈りながら挨拶をする。
「初めてまして、竜宮桜純と申します。どうぞよろしくお願い致します」
「席は窓際の一番後ろだ。姉と近い方が気楽だろ?」
「はい、ありがとうございます」
前の席に座る百合が小さく手を振り、私は笑顔で席に向かうと、隣の席とその前に座る絶対に学園の王子とか言われてるだろうなと思われる男子2人に声をかけられた。
「サーヤちゃんだよね。今日からよろしく!俺、昨日から百合ちゃんの彼氏の宮ノ森政親!」
「おい、その挨拶はないだろ。僕は鷹司蒼生、隣の席だから何でも聞いてね」
その途端、キャーとかイヤーと言う女子生徒の悲鳴が聞こえて驚いたけど、私は「そうせい」という名にビクッとしてしまったの。
ダメね。早く忘れてしまいましょう。
「お二人共、よろしくお願い致します」
「お嬢様方、行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
運転手つきって凄いよね。
天司家に慣れたせいで普通の家のように感じてたけど、百合の家もお金持ちだったわ・・・。
「竜宮様、おはようございます」
「おはようございます」
百合に声をかけてきた女の子達は、私の事をジロジロと値踏みするように見てる。
どこも同じだなーと思いながら微笑むと、リーダーっぽい子が百合に聞いた。
「竜宮様、失礼ですがこちらの方は?」
「私の妹よ。竜宮桜純と言うの。くれぐれもよろしくね」
「竜宮桜純と申します。よろしくお願い致しますね」
これ以上聞くなという威圧感を出す百合は、家にいる時と全くの別人で驚いたわ。
友達になったのは、私が百合の家の庭にボールが入って取らせてもらった時なのよね。
学校は違ったけど気が合って、その頃は学校が怖いと言っていたのに、この成長ぶりはすごいわ。
「そ、そうですのね。桜純様、よろしくお願い致しますわ」
笑顔でその場を後にする百合は、ペロリと舌を出して笑って、小声で話し始めたわ。
「強くなったでしょ?サーヤがいなくなってから頑張ったの。行方不明になってサーヤが受けた仕打ちを聞いてからはもっとね。あの子達は私をいじめてた筆頭なんだけど、今は大人しくしてるのよ」
「そうだったのね。すごく驚いたわよ?私の可愛い百合が!って」
「もう!サーヤひどいわ!」
2人で笑いながら職員室へと向かい、案内してくれた百合は先に教室へ、私は担任の前田先生から軽く説明を受けてから一緒に教室へと向かった。
百合と同じクラスだと聞いているから少し気楽だけど、やっぱり初めての時は緊張するわね。
先生が扉を開き、私はその後ろをついていく。
全員の視線が私に集まるのが分かり、顔が赤くなっていないように祈りながら挨拶をする。
「初めてまして、竜宮桜純と申します。どうぞよろしくお願い致します」
「席は窓際の一番後ろだ。姉と近い方が気楽だろ?」
「はい、ありがとうございます」
前の席に座る百合が小さく手を振り、私は笑顔で席に向かうと、隣の席とその前に座る絶対に学園の王子とか言われてるだろうなと思われる男子2人に声をかけられた。
「サーヤちゃんだよね。今日からよろしく!俺、昨日から百合ちゃんの彼氏の宮ノ森政親!」
「おい、その挨拶はないだろ。僕は鷹司蒼生、隣の席だから何でも聞いてね」
その途端、キャーとかイヤーと言う女子生徒の悲鳴が聞こえて驚いたけど、私は「そうせい」という名にビクッとしてしまったの。
ダメね。早く忘れてしまいましょう。
「お二人共、よろしくお願い致します」
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