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第三章: パイロマニアック
第九話
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「次は外しませんよ」
次はもうない。弾き返せるかも分からない。だったら一か八か、賭けにでるしかないな。
手にエレメントを集中させて、水を連想。そしてそれを放出!でも今回は、水が噴き出る感じじゃなくて、水で壁を作る。水で防壁を作る感じだ。
スイの矢が飛んで来た。でも今の俺には関係ない。
思ってた通り、射られた矢は壁で止まり、俺に届かなかった。こうなったら、もうこっちのもんだ。このまま壁ごと前進して、スイに近づく。そして白濁の剣で攻撃までは想像出来た。でもそう簡単にはいかないだろうな。
スイが後退し続けたら意味がないし、近づきすぎたら矢が壁を通るかもしれない。でも今はそんなことは気にしないで、前進あるのみだ。
「壁ですか。でも水の壁じゃなくて、普通の壁の方が良いんじゃないですか?」
うるさい奴だな。消火したときに、水を出したことを思い出して水の防壁を作っただけだ。
少しずつスイに近いて来ている。何でスイは動かないんだ?普通なら後退して攻撃する機会を窺うと思うんだが。
何を企んでいるんだろうか?
「次で終わらせます」
壁があるのに、次で終わらせるとか随分と強気だな。
そう考えていると、スイは弓を上に向けた。
「守ってるのは前方だけでしょう?上はガラ空きですよ!」
しまった。弓矢なんて、軌道を変えたら壁なんて意味ないじゃねえか。このまま俺は死ぬんだろうか?
あんだけ見えなかった矢が、今は鮮明に見える。スローモーションみたいだ。あれ?これってもしかして、死ぬ直前的なやつ?
地上ではテクノブレイクで死んで、死後の世界では矢で殺されるのか。散々な目に遭ってるな俺。
こんなとこで死ぬのか。でも皆んなに会えて良かった。ありがとう、皆んな!
俺は目を閉じ、歯を食いしばり、矢が来るのを待っていた。って全然矢が来ないな。スローモーションにも程があるぞ。こっちは死ぬ準備が出来てんのに、どんだけ待たせんだよ。
「何で目を閉じてるんだ、ハジメ?」
うん?誰かの声がするぞ。しかも聞き覚えのある声......
恐る恐る目を開け、目の前に立っている大男を見上げた。
「アルバッド?」
「ビビり過ぎて私が誰か忘れたか?」
「う、うるせえ!少しドジっただけだ!」
「そうか。それで良い。良くやったぞ、ハジメ」
「俺は何も出来てねえ。それよりカンナの方に行ってくれ」
「すでにマーガレットとイシュを送ってある。心配するな」
「アルバッドですか。これは少し分が悪いですね」
「お前がスパイだったとはな、スイ。お前たちの目的は何だ?」
「愚問ですね。私たちは神を信じていない。神は消滅したんです。だから、神を名乗る者を消すのは当たり前でしょう」
「でもその計画もこれで終わりだ」
「終わり?何を言ってるんですか。神の子はここには居ないんですよ?マーガレットとイシュを送っても彼は倒せませんよ。コンスタンティンはね」
「コンスタンティンだと」
アルバッドの表情が強張るのが見えた。そんなに強い奴なんだろうか。
「私もまだ死ぬ訳にはいきませんので。今回は
失礼します。またいつか会いましょう」
では、と言いスイはどこかへと消えた。
「ハジメ、早く行こう」
スイが去った後も、アルバッドの表情は変わらなかった。
ドゴン!
カンナたちの所へ向かう途中、凄い音がした。何かが壊れる音だろうか。
気付いたら、サウスエンドの入り口まで来ていた。カンナ、マーガレット、イシュは皆んな倒れていた。唯一立っていたのは、アルバッド以上の大男だった。そして、そいつの手には身長以上に大きい十字架が持たれていた。
アナはどこだ?
うん?十字架をよく見ると、人影が見える。あれがアナか。十字架に磔にされている。何なんだよコイツ。イカれてるだろ。
それにコイツのエレメント、量も半端ないが、メラメラ燃えている。根っからの戦闘狂か何かか?
「コンスタンティン」
「アルバッドか。久しぶりだな。最近は戦場では見かけないが、リーダー様は忙しいんだな」
戦争相手なんだからお互い知ってて当たり前か。
「最近の大天使は雑魚ばっかだな。うん?お前が噂の光使いか」
見つかっちゃったよ。戦闘狂に見つかっちゃったよ、俺。
「エレメントの量は凄いが、力を感じないな。つまんねえな、おい」
すまんな。俺の光エレメントは、殆どがテクノブレイクで出した汁と快感で成り立ってるからな。
「せっかく最強の光使いがどんなものか見に来たのに、まだまだじゃねえか。つまらん。つまらなすぎるぞ」
「じゃあ、そいつを返して帰ってくれ」
「ああ?勇者か気取りか、雑魚が。でも窮地に追いやれば力を発揮するとかあるか。よーっし、じゃあ力づくで奪ってみろ」
ええー。馬鹿そうだからアナを返してくれると思ったんだけどな。案外頭悪くないのな。
「行くぞハジメ」
「ああ」
走り出そうとした瞬間、コンスタンティンが燃えた。
アナか!アナが目を覚ましたんだ!
コンスタンティンは火を消そうと、もがいている。
「ふう。ハジメ、これ外して」
アナが腕と足に付いてるチェーンを見ながら言った。
「大丈夫か?」
俺が外してあげると、アナは普通にテクテクと歩き始めた。
「うん。もうコントロール出来るようになったよ、この目」
え?いつの間に?長い間寝てたのはそういうことなのか?
「良くもやったな、偽神!」
コンスタンティンはアナに襲いかかろうとしたが、アナの目からは逃れられない。
「よく言うよ。人を十字架に磔にしといて。ここで死んで」
アナってこんなに強烈な感じだったかな。でもさすが神って言わざるを得ないな。
見る見るうちにコンスタンティンは燃えていった。
「覚えてろ、覚えてろよ偽神!」
そう言いながらコンスタンティンは飛び去っていった。
「カンナ大丈夫か?」
返事がない。また守れなかったのか。
「カンナ!カンナ!!」
「ちょっと、うるさいんだけど」
「カンナ?生きてたのか!」
「この世界で死ぬときは、塵になること忘れてない?」
あっ、そう言えばそうだった。普通に忘れてた。
「私たちも倒れてるんだけどー」
マーガレットもイシュも大丈夫みたいだ。皆んな無事で本当に良かった。
「ハジメ、病院に行こう。君自身も矢が刺さってるからな」
矢?ヤバイ。必死になりすぎて忘れてた。腕と脚に矢が刺さってるの。ヤバイ。何かフラフラして来た。
ごめん、俺死ぬかも。
次はもうない。弾き返せるかも分からない。だったら一か八か、賭けにでるしかないな。
手にエレメントを集中させて、水を連想。そしてそれを放出!でも今回は、水が噴き出る感じじゃなくて、水で壁を作る。水で防壁を作る感じだ。
スイの矢が飛んで来た。でも今の俺には関係ない。
思ってた通り、射られた矢は壁で止まり、俺に届かなかった。こうなったら、もうこっちのもんだ。このまま壁ごと前進して、スイに近づく。そして白濁の剣で攻撃までは想像出来た。でもそう簡単にはいかないだろうな。
スイが後退し続けたら意味がないし、近づきすぎたら矢が壁を通るかもしれない。でも今はそんなことは気にしないで、前進あるのみだ。
「壁ですか。でも水の壁じゃなくて、普通の壁の方が良いんじゃないですか?」
うるさい奴だな。消火したときに、水を出したことを思い出して水の防壁を作っただけだ。
少しずつスイに近いて来ている。何でスイは動かないんだ?普通なら後退して攻撃する機会を窺うと思うんだが。
何を企んでいるんだろうか?
「次で終わらせます」
壁があるのに、次で終わらせるとか随分と強気だな。
そう考えていると、スイは弓を上に向けた。
「守ってるのは前方だけでしょう?上はガラ空きですよ!」
しまった。弓矢なんて、軌道を変えたら壁なんて意味ないじゃねえか。このまま俺は死ぬんだろうか?
あんだけ見えなかった矢が、今は鮮明に見える。スローモーションみたいだ。あれ?これってもしかして、死ぬ直前的なやつ?
地上ではテクノブレイクで死んで、死後の世界では矢で殺されるのか。散々な目に遭ってるな俺。
こんなとこで死ぬのか。でも皆んなに会えて良かった。ありがとう、皆んな!
俺は目を閉じ、歯を食いしばり、矢が来るのを待っていた。って全然矢が来ないな。スローモーションにも程があるぞ。こっちは死ぬ準備が出来てんのに、どんだけ待たせんだよ。
「何で目を閉じてるんだ、ハジメ?」
うん?誰かの声がするぞ。しかも聞き覚えのある声......
恐る恐る目を開け、目の前に立っている大男を見上げた。
「アルバッド?」
「ビビり過ぎて私が誰か忘れたか?」
「う、うるせえ!少しドジっただけだ!」
「そうか。それで良い。良くやったぞ、ハジメ」
「俺は何も出来てねえ。それよりカンナの方に行ってくれ」
「すでにマーガレットとイシュを送ってある。心配するな」
「アルバッドですか。これは少し分が悪いですね」
「お前がスパイだったとはな、スイ。お前たちの目的は何だ?」
「愚問ですね。私たちは神を信じていない。神は消滅したんです。だから、神を名乗る者を消すのは当たり前でしょう」
「でもその計画もこれで終わりだ」
「終わり?何を言ってるんですか。神の子はここには居ないんですよ?マーガレットとイシュを送っても彼は倒せませんよ。コンスタンティンはね」
「コンスタンティンだと」
アルバッドの表情が強張るのが見えた。そんなに強い奴なんだろうか。
「私もまだ死ぬ訳にはいきませんので。今回は
失礼します。またいつか会いましょう」
では、と言いスイはどこかへと消えた。
「ハジメ、早く行こう」
スイが去った後も、アルバッドの表情は変わらなかった。
ドゴン!
カンナたちの所へ向かう途中、凄い音がした。何かが壊れる音だろうか。
気付いたら、サウスエンドの入り口まで来ていた。カンナ、マーガレット、イシュは皆んな倒れていた。唯一立っていたのは、アルバッド以上の大男だった。そして、そいつの手には身長以上に大きい十字架が持たれていた。
アナはどこだ?
うん?十字架をよく見ると、人影が見える。あれがアナか。十字架に磔にされている。何なんだよコイツ。イカれてるだろ。
それにコイツのエレメント、量も半端ないが、メラメラ燃えている。根っからの戦闘狂か何かか?
「コンスタンティン」
「アルバッドか。久しぶりだな。最近は戦場では見かけないが、リーダー様は忙しいんだな」
戦争相手なんだからお互い知ってて当たり前か。
「最近の大天使は雑魚ばっかだな。うん?お前が噂の光使いか」
見つかっちゃったよ。戦闘狂に見つかっちゃったよ、俺。
「エレメントの量は凄いが、力を感じないな。つまんねえな、おい」
すまんな。俺の光エレメントは、殆どがテクノブレイクで出した汁と快感で成り立ってるからな。
「せっかく最強の光使いがどんなものか見に来たのに、まだまだじゃねえか。つまらん。つまらなすぎるぞ」
「じゃあ、そいつを返して帰ってくれ」
「ああ?勇者か気取りか、雑魚が。でも窮地に追いやれば力を発揮するとかあるか。よーっし、じゃあ力づくで奪ってみろ」
ええー。馬鹿そうだからアナを返してくれると思ったんだけどな。案外頭悪くないのな。
「行くぞハジメ」
「ああ」
走り出そうとした瞬間、コンスタンティンが燃えた。
アナか!アナが目を覚ましたんだ!
コンスタンティンは火を消そうと、もがいている。
「ふう。ハジメ、これ外して」
アナが腕と足に付いてるチェーンを見ながら言った。
「大丈夫か?」
俺が外してあげると、アナは普通にテクテクと歩き始めた。
「うん。もうコントロール出来るようになったよ、この目」
え?いつの間に?長い間寝てたのはそういうことなのか?
「良くもやったな、偽神!」
コンスタンティンはアナに襲いかかろうとしたが、アナの目からは逃れられない。
「よく言うよ。人を十字架に磔にしといて。ここで死んで」
アナってこんなに強烈な感じだったかな。でもさすが神って言わざるを得ないな。
見る見るうちにコンスタンティンは燃えていった。
「覚えてろ、覚えてろよ偽神!」
そう言いながらコンスタンティンは飛び去っていった。
「カンナ大丈夫か?」
返事がない。また守れなかったのか。
「カンナ!カンナ!!」
「ちょっと、うるさいんだけど」
「カンナ?生きてたのか!」
「この世界で死ぬときは、塵になること忘れてない?」
あっ、そう言えばそうだった。普通に忘れてた。
「私たちも倒れてるんだけどー」
マーガレットもイシュも大丈夫みたいだ。皆んな無事で本当に良かった。
「ハジメ、病院に行こう。君自身も矢が刺さってるからな」
矢?ヤバイ。必死になりすぎて忘れてた。腕と脚に矢が刺さってるの。ヤバイ。何かフラフラして来た。
ごめん、俺死ぬかも。
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