破壊は追憶の果てに

奏紫 零慈

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34 タイセン

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「敵はアルフェリア学園に集中してるみたい」

「アルフェリア内の兵士やドローンをある程度倒したら学園外で待機してる戦力がこっちに入ってくるだろう」

「ヘプターナ【闇】による秘密兵器【クイーン】も学園の外側にいるんじゃないかな」

「ならその【クイーン】ってヤツから倒してヘプターナ救出しようぜ!」

「いや、待機戦力の方行けば、学園内の敵戦力が妨害してくる。必然的に全ての敵と戦うことになりそうだ」

「それなら効率良く撃破していきたいね。近距離組と遠距離組とかに分かれるってのはどう?」

「名案…でも更に細かく分けたい…近距離攻撃(アタック)…防御(ガード)…遠距離攻撃(シュート)…支援(サポート)…など…」

「支援(サポート)なら【治癒】を持つセリアが適任
だが遠距離からのヒールは行えない。これだけ広いフィールドだからそれが難点だ」

「…ん…サリエさん…その問題解決…サリエさんの能力は知覚した臭いの物質のエネルギーを遠くに飛ばすこと…この武器を使えば…知覚した治癒エネルギーを遠距離に飛ばせる…」

「後は私達の拠点を設定しましょう。行動範囲を減らし離れないように。なるべく敵が一方向にしか攻められないよう拠点におびき寄せたいのでそういった役割が必要になりますね」

「へぇー、1人適役がいるんさー!メリルちゃん」

「ふぇええ!怖いですぅ!」

「メリル、これはお前にしか出来ない。その能力を使えば誰もお前を止められはしない。戦わなくて良い。逃げながら敵を連れてきてもらいたい」

「大丈夫。メリルなら出来るって僕は信じるよ!」

「アタシも前線駆け巡るからいざという時は守ってやるぅ!!」

「いえ、エムさんには防御(ガード)をお願いします。その【結界(バリア)】があれば頑丈な守りになります」

「えぇ~!アタシも前突っ込んで戦いたい!!」

「戦局次第では皆んなアタックにもなりますよー」

「じゃ、主な役割、引き付けメリっちでアタックはオレと会長、ガードはエムちーとセトちー、シュートがトゥるんるんとユウちん、ヒールはサリエるんるんとセリアっちって感じすねー!」

「僕もガードなんだー!」

「アップグレードしたプラズマキャノンは大剣に変形可能だが、重い為鈍足になるからな。後ろで高火力ぶちかました方が良い。俺は今まで通り、モニター越しのサポートに回る」

「なんだとー!アゲハも闘えよ~!」

「たまに此方も攻撃援助する。最悪の場合は俺も直接向かうつもりだ。試作品だが役に立つ装備を用いてな」


時計台前を拠点にした一同。

「いきますよライセ。なるべくArizに負担は掛けないよう敵を一掃しましょう」

「おいっす!会長!」

「くぅ!アタシも行きてぇ!」

すると岩山が四方八方から出現する。

「エムちゃん、行ってもいいよ!私の属性【地】があればガードも兼任出来ると思うの!」

「さんきゅ!お言葉に甘えてぶっ倒しに行ってくるぜ!」

「まぁ、アイツが守りだけというのも勿体ないからな、平気かミサカ」

「構いません。敵も多いので心強いかと」

高速でジグザグに曲がりながらメリルはドローンをおびき寄せていた。

「はわわっ!連れてきましたぁ!!」

「ボクに任せてー」

つむじ風を発動させ、弾丸を数発そこに撃ち込み、

「フゥー」

自在に風を操り、ドローン、黒軍のリヒターを倒していく。

「君は凄いですね!特技と異能力を活かしたスタイル。しかもそれで空も飛べるなんて、まるでロストワールドの英雄のようではありませんか!」

頭を振り、シルクハットが落ちそうになっているトォルは目を輝かせた。

「いやいやーそれほどでもないさー。キミの方が凄いのさー。視界の範囲に光の攻撃、しかも一時的に相手の視力を奪うなんて大したものさー」

「味方も巻き込んでしまうので攻撃範囲に制約はつけますが僕も負けませんのですよ!」

瞳のような先のステッキを敵に向け光線を飛ばす。

「わーナイスショットー」

戦うこと20分。

「会長!今のところ何機倒したことになるんすかね?」

「数え間違えが無ければ59機」

「これで60機目っすねー!」

右腕の装備でドローンの頭を地面に叩きつける。

「兵士は25人撃破」

「うわぁ!凄い!みんなでやればこんなに強いんだぁ!」

セリアが感激してぴょんぴょんと跳ねる。

「そろそろ敵戦力が補充されるか」

「アゲハしゃん~大変でしゅ~」

「どうした?」

インカムから泣き声が聞こえて来た。

「見たことないドローンが変な音を出してて頭痛いのでしゅ~」

「そうか妨害型か。それならライセ、お前の能力は音を自分のエネルギーに変えることだったな、助けてやってくれ」

「任せてくださいっす!」

~ドゥルルルルルル~

うずくまるメリルの所まで走っていき、

「うわっ、確かに嫌な音っすね、でもオレとは相性悪かったっす!」

ライセの片腕の装置が音を吸い込み、溜まったエネルギーを妨害ドローンに打つける。

「あ、ありがとうですぅ」

「こんなのチョロいっす!」

「この辺で待機しますか。僅かでも小まめに休息はとりましょう」

トォルは時計台の上に登る。

「更に遠くの敵は僕に任せて。見えてさえいれば射程は心配ないので」

~ブヴォヴォーン~

近距離攻撃(アタック)組が一息付いてる隙をバイク型のドローンが通過していく。

「私としたことが!やってしまいました!」

更に同型二機も通過する。

「アタシが止めてやるぅ!!」

20メートル程後ろにいたエムが構えるが

~ブゥーン~

エムを避けて拠点まで突っ込んでしまう。

「逃げ足速!?」

「僕がなんとかするよ!」

見えてきたドローンにプラズマキャノンを向け発射

ー ボコーンー

一機はバラバラに砕けたが他のバイクが接近。

「スピードが間に合わない!」

「岩で守るねー!」

ー  ボコーン   ボコーン  ー

バイクは岩に激突し壊れ、岩も所々砕けてバラバラになっている。

「飛翔するドローンが数機こちらに接近中!」

時計台の上で光線を飛ばしていたトォルが言った。

「ボク助太刀するー」

ユウは時計台の上まで飛んでいく。

数体のトンボの形のドローンが時計台をぐるぐると回る。

「これでどうかなー?」

「向こうから中型接近!」

背にジェットパックを付け、腕に遠距離武器を武装している車の正面に似た頭部のドローン1機

「うわ、はやーい」

ー   バギョーン  ー

そのドローンの射撃で時計台から鐘が外れて落下する。

「おっとー?」

鐘はセリアの方へ急降下していく。

ゆっくり見上げ、鐘に気付くと青ざめる。

「……!」

「危ない!」

声の出ぬまま硬直しているとセトが抱えてその場から避難する。

「また、助けられちゃうなんて…!」

「お互いに助け合おう」




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