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秋の断章 -Tragedy-

秋の断章③-4

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 その日の夜、俺は深夜まで脚本を書き続けていた。



 絶えずシャーペンを動かし、ようやく最後の「了」という文字まで書き上げた時には、すでに深夜の三時を回っていた。



 俺が書き上げた、俺たちだけの『ロミオとジュリエット』。



 大きな溜息を吐いて、消しゴムの滓だらけのノートを見下ろす。



 これでようやく肩の荷が降りた気がした。



 俺はこれから、自らの命を断つ。



 もはや一時の余裕もない。



 神さまにあれだけの大見得を切っておきながら、短絡的に俺は死ぬ。



 燎火を救うには、その他に方法がなかった。



 他のしがらみなど、何も考えられなかった。



 彼女の命以外、何も見えてはいなかった。



 きっとその時、俺は少し頭がおかしくなっていたのだろう。



 考えた脚本の内容は、まさに俺の祈りを体現したものだった。



 俺が消えても、彼らが悲しんでくれないように。





 それだけを考えて、俺はこの物語を自分のいない世界に捧げようと思う。

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