上 下
20 / 307
本編第一章

まだまだ絵に描いた餅です

しおりを挟む
(よし、温泉を軸に観光業を立ち上げよう。まずあの源泉をもっと麓まで引いてくるための工事が必要ね。ただ湯量に限界があると困るから……いっそのこと別の温泉も掘っちゃう? うん、それがいい。そうすれば冷めるのも防げるし、安定した供給が可能かも。それから建物も建設しないといけないけど……ホテルを作ってスパリゾート風にする? 「千と◯尋の神隠し」みたいな湯屋を作って、みんなが通えるようにするのも面白いわね……)

 ……なーんてつらつら考えていた私は、はたと気がついた。

 温泉、そもそもどうやって掘るの?

(ていうかどこを掘ったら出るの? 高台の源泉をひっぱってくると言ってもどうやって? パイプ的な何かを敷設するの? でもパイプって塩化ビニール製でしょ? そんなものこの世にないんだけど。それに建物建てるって、費用は? 土地は? 男爵家にそんな金あるわけないし、この世界には母体となるNGOだってない……。どうすりゃいいの? クラファンでもする???)

 というわけでさっそく壁にぶつかっている私こと、アンジェリカ・コーンウィル・ダスティン、5歳です。今何してるかって聞かれたら、継母とマリサと3人で明日の朝食用のパンを焼いている。そう、夫人が台所に立つというのは本当だった。しかもかなり手慣れている。

 男爵家に引き取られた日の夕食は、この家にとっても特別な日仕様だったらしく、ロイたちが給仕してくれたコース料理を食したけれど、ああいう食事の仕方をするのは特別な日以外は月に一度なのだそうだ。ちなみにそれは毎月3日で、二人の結婚記念日なのだとか。それ以外の日は家族3人分の食事を大皿などに盛って、みんなで取り分けて食べるのが日常だ。そうすればロイたちも給仕をしなくてすむし、洗い物も少なくて手間が省ける。実に合理的だ。

 本当は私に食事マナーを教えるために、晩餐の機会を増やそうかと夫婦で話していたそうだが、私のマナーは夫人の目から見ても合格点だったらしく、今の状態で学院にあがったとしても問題ないだろうと判断された。ちなみにもっと上級なマナーは学院でみっちり教わるらしい。あんまり楽しみではない。

 夫人とマリサがこねてくれたパン種を丸くするのが私の仕事だ。前世でも村の人たちがこんなふうに作っていたなぁと懐かしく思い出す。日本にいるときはパンを手作りする機会なんてなかった。石臼で粉を挽いたり、牛やヤギの乳を搾ったり、井戸で水を汲んだり、火を興すことまで一通りできたのは、派遣先で経験したおかげだ。これがもし普通の会社勤めしかしてないアラサーだったら、たちまち困ったことになっていただろう。

 パン種は鉄板に並べられ、マリサの手でオーブンに入れられた。当然電気ではなく火で調節が必要なオーブンだ。私は火の扱い方を彼女から教わるのが日課だった。

 男爵領では父も継母も1日働いている。メイドに任せているのは掃除と洗濯くらいだ。当然私もそれらができるようにならなくてはいけない。

 けれどそれと同時に、貴族社会で生きていくための、いわゆる「淑女教育」や勉強も少しずつ導入されていた。父からは語学と算数を、継母からは刺繍とピアノを教わっている。本当は家庭教師を雇おうという話が持ち上がっていたのだが、そもそも中身アラサーで、たいていのことはできてしまうので、お金がもったいないなと思い、「私はおとうさまとおかあさまに教わりたいです。そうすれば一日中、どちらかと一緒にいられることになります。違う先生につくのはさびしいです」とぶりっこ丸出しでお願いしたら、両親とも二つ返事で了承してくれた。これぞヒロインチート。

 ただし残念なこともある。メイド頭のルビィがマナーの先生になってしまった。継母いわく、自分では甘くなってしまって指導になりづらいから、とのことだった。マナーの授業は多岐にわたる。歩き方、座り方、笑い方などの所作から、手紙の書き方、ハンカチや扇の使い方といったものまで、キリがない。今のところ継母も付き添ってくれているからルビィの態度も大人しいものだが、義母がいなくなった瞬間が恐ろしい。

 そんなわけでかなり忙しい毎日を送っていた。そのため温泉計画はすっかり頓挫している。

(まぁでも、ちょっと浮かれてしまったところはあるわよね)

 その反省点は、温泉を見つけた直後、父に温泉を軸にした観光業の提案をしたときに、すでに湧きおこっていた。

 父ははじめ「温泉で地域おこし……? アンジェリカは面白いことを考えるね」と冗談としてしか受け止めてくれなかった。それでも私が必死に言葉を重ねて訴えると、少し考えるそぶりをしたが、やがて首を傾げた。

「たしかに温泉は珍しいから、ここに来た人には喜ばれるかもしれない。でも、わざわざお風呂のためにこんな辺鄙なところまで来るとは思えないな。王都のように賑やかな街ならともかく」
「ですから、温泉だけでなく観光施設も作るのです! たとえば高級スパとリゾートホテルを作って貴族を囲い込み、庶民向けには湯屋を作って、誰もが気軽に入れて休憩できるスポットにするとか」
「うーーん……発想としては面白いけれど、それは無理な話だよ」
「どうしてですか!?」

 こんないい資源、使わない手はない。私は納得がいかず父に詰め寄った。

「観光客をもてなすだけの余力が我々にはないからね」

 そう言って父は力なく笑った。

「アンジェリカも見ただろう。領地の現状を。我々は自分たちの食い扶持を保つだけで精一杯で、人様をもてなすような準備はとてもじゃないけどできないよ。新しい事業を興すのは、今の状態では到底無理なんだよ」

 その言葉に私ははっとした。

 確かに、冬になると出稼ぎに出ていくような、自給率ぎりぎりの領地で、お金のかかる新しい産業を興すのは難しい。それ以前に、自分たちがお腹いっぱい食べられるだけの余裕がなければ、その土壌にそれ以上の物を組み上げることなどできない。支援の根幹ともなる精神を忘れていた。

 父の発言に納得した私は一度引き下がることにした。せっかく温泉が目の前にあるのに使えないなんて残念な気持ちはあるが、まずは、食糧生産を安定させることが先決だ。

 というわけで、オーブンの火を見ながら私は思案していた。

 今し方こねたのはこの土地で昨年とれた麦だ。貧乏とはいえ一応領主宅なので、一家が食べていけるだけの麦は確保できている。それでも粉を少しでも無駄にしないようにという継母とマリサの手際は見事だった。領民たちが大事に育てた麦だからその姿勢は当たり前といえる。

(麦ねぇ。でもあんなに痩せ細ってちゃ困るよね)

 このあたりでは麦からできるパンが主食のようなものだ。それに卵、野菜、肉に川魚。肉は山で猟ができるし、魚は川で釣れる。父がとってくることもあるが、多くは領民がとってきてくれたものを買い取っている。卵はメイドの2人が鶏の世話をしてくれている。自然が比較的豊かなのと気候が穏やかなので、領民たちは自給自足でなんとか飢えずにいられるようだ。領民たちは毎年秋に家畜の豚や鶏をしめて、肉を薫製や塩漬けにして冬を越している。また冬眠しない動物を狙って山に猟に入ることもあるのだとか。

 食材はぎりぎりながらなんとかなっているのだが、やはり主食が不作というのは痛い。しかし麦の収穫量をあげるには、今のところ地の聖霊石しか手はないという状況。聖霊石の流通は国が管理していて、毎年領地の大きさや生産量に合わせて一定量の配給があるほか、一部は市場に出回る。しかしそこそこ高価なため、貴族や裕福な庶民しか手に入らない。

(隣のアッシュバーン領なら地の聖霊石がごろごろしてるんだけどなぁ)

 ここダスティン領は火の聖霊の数が多いところだ。もちろん火の聖霊石も大事だ。火を興すのに欠かせないし、今だってマリサが火力をあげるために一石投じたところだ。

 ちなみに聖霊石自体はそのへんにごろごろ転がっている。ただ、研磨しなければ聖霊石としての用途は果たさず、その研磨の技術は王都にある神殿が管理している。火地風水の4種類の聖霊石があり、この辺では火の聖霊石がよくとれる。貴族領には一定量の聖霊石を神殿に納める義務がある。我が領でも税金の代わりに一定量の聖霊石を収集して納める義務を領民に課しているほか、一定量以上は買取もしている。子どもたちがお小遣い欲しさに拾い集めては男爵家に持ってきてくれる。火の聖霊石が圧倒的に多いため、配給も火の聖霊石が多めだ。それを他領と交換したりしながらなんとかやりくりしている。

(やっぱり土が悪いのかなぁ)

 冬でも雪が積もらないこの土地はどちらかというと温暖なはずだ。そうなると気候の問題というよりは土壌の問題な気がする。

(育ちにくい麦や作物……。でも水は豊富なんだよな。雨も多いって聞くし、温泉もあるくらいだし。そうそう、温泉っていえば、火の聖霊の加護があるから温泉が湧くのかなぁ。関係ありそうだよね。日本で温泉っていえば、火山のイメージなんだけど……)

「ん? 火山???」

 思わず口をついて出た言葉に目を見開く。火山、そう火山だ!!!

 私はかぶりを振り、今度は夕食用のシチューを煮込んでいた継母の名を呼んだ。

「おかあさま!」
「なぁに、アンジェリカ。今日のシチューはビーフシチューよ」
「おかあさま! もしかしてこの近くに火山はありませんか!?」
「火山? この近くに? あったかしら……」

 お玉を持ったまま顎に指をあててのんびり思案する継母を待てず、私は椅子から飛び降りた。

「おかあさま、おとうさまに聞いてきてもいいですか!?」
「え、えぇ。パンももうすぐ焼けそうだし、いいわよ。お父様はお庭だと思うわ」
「ありがとうございます!」

 お礼を言いながらダッシュで台所を離れる。そのまま勝手口から庭に飛び出し、裏手の畑の方を目指した。農機具を修理している父を見つけて、先ほどと同じ質問を口にした。

「おとうさま! この近くに火山はありませんか!?」
「なんだい、アンジェリカ、急に」
「このあたりの土壌のことが知りたいのです! この近くには火山があるのではないですか?」
「火山って、山が火を吹くことだよね。確かトゥルキスにあるって話は聞いたことがあるよ。山から火が出るって、どんな風景なんだろうねぇ」
「この近くにはないのですか? このダスティン領には?」
「まさか、ここにはそんなものないさ。あればこんなに穏やかに暮らしていられないだろう」

 にこやかに答える父に、私は若干肩透かしをくらった。

(火山はない? それならなぜ温泉があるの?)

 私は前世の記憶を総動員して火山の情報を集めた。

 そして、ある事実に気が付く。

「おとうさま! 図書室をお借りしてもいいですか!?」
「あ、あぁ、もちろん。構わないとも」
「ありがとうございます!」

 言いながら再び勝手口にとって返し、今度は一階の図書室を目指した。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。

kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。 前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。 やばい!やばい!やばい! 確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。 だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。 前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね! うんうん! 要らない!要らない! さっさと婚約解消して2人を応援するよ! だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。 ※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。

悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ
ファンタジー
乙女ゲームの王子に転生してしまったが断罪イベント三秒前。 婚約者を蔑ろにして酷い仕打ちをした最低王子に転生したと気づいたのですべての罪を被る事を決意したフィルベルトは公の前で。 「本日を持って私は廃嫡する!王座は弟に譲り、婚約者のマリアンナとは婚約解消とする!」 「「「は?」」」 「これまでの不始末の全ては私にある。責任を取って罪を償う…全て悪いのはこの私だ」 前代未聞の出来事。 王太子殿下自ら廃嫡を宣言し婚約者への謝罪をした後にフィルベルトは廃嫡となった。 これでハッピーエンド。 一代限りの辺境伯爵の地位を許され、二人の幸福を願ったのだった。 その潔さにフィルベルトはたちまち平民の心を掴んでしまった。 対する悪役令嬢と第二王子には不測の事態が起きてしまい、外交問題を起こしてしまうのだったが…。 タイトル変更しました。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした

せんせい
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ―――

熟練度カンストの魔剣使い~異世界を剣術スキルだけで一点突破する~

あけちともあき
ファンタジー
天下御免のニートにして、廃人ゲーマーの久保田悠馬。 彼はリアルから卒業してニートとなり、ゲームに没頭する。 ゲームを卒業してリアルに戻っていった親友から送られた魔剣を手に、活躍する悠馬。 ついに彼は剣術スキルをカンストさせる。 その瞬間、謎の表示とともに、悠馬は異世界へ転移していた。 転移したのは、三つの宗教がしのぎを削り、その他の信仰の存在を許さない暗黒の時代。 あろうことか、悠馬はこの世界に来て早々に、処刑されようとする少女を救ってしまい……。 三大宗教最大の宗派を敵に回してしまう。 ムッツリスケベでコミュ障で、イマイチ空気が読めなくてタイミングの悪い男。 しかしてその正体は、世界最強の剣士。 戦士ユーマの冒険が始まる。

妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。

ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」  そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。  長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。  アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。  しかしアリーチェが18歳の時。  アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。  それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。  父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。  そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。  そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。  ──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──  アリーチェは行動を起こした。  もうあなたたちに情はない。   ───── ◇これは『ざまぁ』の話です。 ◇テンプレ [妹贔屓母] ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!

処理中です...