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第3章 幼少期(修行時代)

36 始動

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「東商店が諸悪の根源とは、いったいどういう事でしょうか?」
「よくぞ聞いてくれた!」
「あわわ!!」

 彼が丸い体をぐいっと反らすと、慌てて女の子が後ろから支えに入った。
 ん? この子の服……もしかして……

「東商店がゴーレムを使った悪どい商売を始めたお陰で、我が豚狩村の観光収入は激減! これは東商店に盗まれたも同然だ。そこで俺様は村を代表し、盗まれた金を取り戻しに来たと言うわけだ!」

(なんだその屁理屈は。
 そもそも、豚狩村が観光を収入にしているなど聞いたことがない。あの村はオーク平原での狩猟しゅりょうが主な収入源のはずだ)

「はあ。とんだ言いがかりですね」
「……何? 言いがかりだと?! 訂正しろボウズ! 言っていいことと悪いことがあるぞ!」「アルゾ!」
「その言葉、そっくりそのままお返しします。それに、私はボウズではありません。東商店の武器造り担当、巧魔と申します」
「何? ボウズは東商店の関係者か? だが子供では話にならんな。大人を連れてこい」
「僕は『転生者』です。見た目通りの年齢ではありませんよ。なんなら、証拠を見せましょう。そちらを見ていて下さい」

 俺は噴水の方を見るように彼を促す。

「なんだあ? この噴水がどうかしたのか?」

『ーー赤武者。起動せよ』

 ズン、と噴水の中心から振動が起きた。ただの像であったの眼が蒼白い光を放つ。
 それは組んでいた腕を外し跳躍し、俺の隣に大きな音をたてて着地した。

 そしてそのまま俺の命令を待つように、方膝をついたままじっと待機している。


 対戮専用ゴーレム『赤武者』
 

 来るべき戮との闘いに備えて造ったゴーレムだか、この男は前哨戦ぜんしょうせんに丁度良い相手かもしれない。
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