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極小世界へようこそ

micro020 トラップ完成

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「キュウ!(完成だ!)」

 先ほど集めたミドリムシの死骸を拠点の周りに生い茂る海草へ塗った。これは簡易的なトラップだ。
 何も知らない敵が拠点に近づけば、海草に体がくっついて絡まってしまうだろう。
 すべてに塗ってしまうと俺たちもトラップに引っかかってしまうので、ひとつのルートだけ道を残してある。
 
「キュウ……(ベトベトする……)」

「キュウキュウ(クラウス様、私くたくたです)」

 爪を使い塗っていたため、俺たちの手はベトベトになってしまっていた。ちょっと酷な作業だったが、安心には変えられない。飯でも食って機嫌を直してもらうことにしよう。
 
「キュウキュウ(海草で手を拭いたら飯にするぞ)」

「キュウ!(おいしいご飯だ!)」

 グリが嬉しそうに手を拭いている姿を、クリアが不思議そうに眺める。
 ふふふ、クリアのやつはミカヅキモを食ったことがないらしいな。

 食糧庫にしまっておいたミカヅキモを寝室に引っ張り出し、みんなで食べることにする。
 進化前だし、たくさん食べておかないとな。
 
 クリアは恐る恐るといった感じでミカヅキモにくちばしを突き立てる。

 プス。モグ……。
 
「キュウ!キュウ!(美味しい! 美味しいです!)」

 クリアが夢中でミカヅキモを頬張っていく。
 よほど気に入ったのか、気が付けば1匹のミカヅキモをほとんど平らげてしまった。丸い体になって床にコロコロしている。こいつ、小さい体のどこにそんな入るところがあるんだ。
 俺とグリも1匹のミカヅキモを2匹で完食。残りの1匹は食糧庫にしまっておく。
 
「キュウ(眠い)」

 グリが眠そうに目をしばしばさせる。グリは食ったらすぐ寝るタイプだな。だが、今日はもう少し我慢してもらおう。
 
「キュウキュウ(悪いが、もう少し待て)」

 俺はこれから進化をする。見た目が大きく変わる可能性があるため、起きてみていてもらわないといけないのだ。
 
 さて、進化先を確認してみようか。
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