逃げていいですか?

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転生後~幼児期~

12.5ハロルド part Ⅲ

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受付のある広間に戻ると

「やっと帰ってきたな!」

「さぁ、賭け事をしましょうよ!」

満面の笑みの者と落ち込んでいたり、頭を抱えている者達がいた。

「これは、どういう状況だ?」

「貴方とゲームがしたいという人が意外にも多かったので。急遽トランプ大会を開いてたんですよ。」

「それで、誰が勝った?」

「俺だ。」

アウレアが金の入っているだろう袋を見せてきた。

「意外だな。マルニが勝つと思ったが。」

「今回は、俺に女神が微笑んでくれたのさ♪」

(女神と聞いてイメージ出来るのは、あの方だけだな)

「ん?」

「どうしたんだ?リーフ」

ドン・・・
(また、乗りかかってきたのか)
「重いからどいてくれ。ナイス」

「ははは、しけた面してるからだ!リーフ
さぁーて決まったメンバーとリーフでポーカーするぞ」


「すまん、俺はポーカーのやり方を知らないんだ。が」

「え、そうなのか」


「おや」


「それなら、最初から言えよ!」

アクレアまで乗りかかってきた。

「重いと言っているだろう!どけろ!!!」

「じゃあ、なにが出来るんですか?」

「ババ抜き・・・」《小声》

「ババ抜きとはなんだ?リーフ」

(この世界には無いのか。)

「ジョーカーの2枚あるうちの1枚を入れ。メンバーに同じ枚数だけ配る(全てのカード)
同じ数字の札が2枚そろったら捨て、手札を減らしていき。最初に手元のカードがなくなったやつが勝ちというとても簡単なゲームだ。」

「あと、相手に話しかけたり、カードを引くように言ってみたりと罠を仕掛けるのもありだ。」

「ほう、面白そうだな」

「代表もやりますか?」

「いいのか?」


「ええ、代表が賭け事をするのも久しぶりですから。」


俺達は、テーブルに座った。
メンバーは、代表   マルニ  ナイス アクレア
私    犬の獣人のスミス     亜人のイアンだ。

「よし、早速始めるぞ」

「さぁ、賭けるものを出せ!」

大会で敗北したうちの人(名前は、ゼナ)
が進行をしてくれるらしい。

宝箱の中に皆それぞれ金を出していく。

私も出そうとすると

「リーフは、金を出さなくていい。」


「・・・なら何を賭けろと?」

「お前が賭けるのはお前自身だ。」

「は?(なんだ体を売れというのか?)」

「お前、ずっとフードとスカーフで顔を隠しているだろ。それに自分のことは一切喋らない。だからお前が負けたらお前のことを教えて欲しい!」


「スカーフを外せとは言わないんだな。」

「もちろんですよ!
ここはいろいろ抱えている人達が集まる場所ですからね。」

「まぁ、したいならストリップしてくれていいんだぞ?《ニヤニヤ》」

「オ!イイネェ!!」

ガッ

馬鹿なことを言ったアクレアとスミスを殴っておいた。

「イテェー。」

「本気で殴ることないだろう!」


「ふん」


「あまりからかいすぎるなよ。」

カードを配り終えて、準備が整った。

「さぁ、始めるか。」

順番は代表 →  マルニ  →ナイス →アクレア
私→犬の獣人のスミス →亜人のイアンとなった。


始まると皆楽しくゲームをしていたが
後半になってくると・・・

「イアン、それは引くな!」

「ふふ、引かせていただくぞ!・・・あぁ騙された!!」


「さぁ、ナイス!どれがジョーカーでしょう!」


「じゃあ、これで!・・・ジョーカーだと!?」

四枚のカードを机に並べて選ばせたり。
言葉巧みに騙したりと皆本気になってきた。
(本職が詐欺師のやつもいるのでやり方がえげつない。)

そして・・・

1番最初に上がったのは・・・アクセスだった。

「よっしゃぁーー!!」

アクセスは、天を仰ぐようにガッツポーズをした。

(そこまで、喜ばなくても・・・)

「やったな!」
「やりましたね!」
「よし!」
「ヤッタナ!」
「おめでとう!」

アクリル、マルニ、ナイス以外の奴らも喜び
アクセルを胴上げしだした。
放っておかれたので。

「はぁー。帰っていいか?」

「「「「「ダメだ!」」」」」

おお、すごい皆息ぴったりだ。

「わ、何をするんだ!!スミス。俺を降ろせ!!」

「・・・」

乗ったまま椅子を移動され広間の中心に置かれた。
俺の前にアクレアが立ち
ほかの者はその周りを囲んだ。

「はぁー。それで?俺に何が聞きたいんだ
アクレア。」


「お前に聞きたいのは・・・三つだ。」

「わかった。話せる内容なら嘘なく答えよう。」
(マスターに関わることはもちろん秘密だ。)


「まず最初に聞くのは、歳だ」



「歳は23だ。(創造されたので本当の歳は分からないがな。)」


「そうか。(よかった。犯罪者にはならないな。)」


(((え、お前19じゃないのか!?)))
ハロルドは、見た目年齢が若いので19ぐらいだとギルドのメンバーは、全員(代表と受付以外)思っていた。

「それがどうした?(隠蔽がバレたか?)」

「いや、何でもない。次の質問だ。
お前は俺のことをどう思っている?」


(((ド直球だな!)))

(もっと良い言い方があるだろ、アクレア。)


(なぜ、皆そんな残念な者を見るような目で俺を見てくるんだ?)

「お前のことは・・・。」


((ごくり))


(ゴクッ、どうなんだ。リーフ
俺のことが嫌いなのか?それとも好きなのか!)

「お前のことは、わりと好きだ。」

パァァ

アクレアがすごくいい笑顔になった。

(((良かったな、アクレア!!!)))

メンバーの中には涙を拭くものまでいた。

「これが最後の質問だ!
お前にはす、好きなやつはいるのか?」《小声》


(((ここでヘタレるとは、・・・)))

「好きなやつはいない。(なぜそんなことを聞くんだ?俺はお前の好みではないはずだが?)」

(え、やったぁ~!)


(((((おめでとう!あとは告るだけだな。))))

「リー「だが、心より(従者として)お慕いしている方ならいる。」」


((((え?))))

「え、なんて言ったんだ。リーフ」

「だから、好きなやつはいないが(従者として)お慕いしている方ならいるぞ。」


ガタン
アクレアは、後ろに立ったまま倒れた。

「おっと、危ねぇー。」

「ナイスだ。ゼナ。」

倒れるアクレアをゼナがなんとか支えアクレアが頭を打つことはなかった。


「大丈夫か、アクレアは?」

その後、アクレアは数人の男達に担がれてギルドの休憩室に連れていかれた。

「あ、ああ。大丈夫だ(お前の言葉にショックを受けただけだ。リーフ)」

「ん?どうかしたか。ナイス」

「いや。(倒れた理由は言わないでやろう。)」

イークが髪を啄んでドアの前に飛んでいった。

「チッチッ(もう、帰りましょう!)」


「お前の鳥は帰りたいみたいだぞ。」


「あぁ、・・・アクレアはどうするんだ?」


「あぁ、今日はギルドに泊まらせて様子を見る。」


「ダイジョウブダ。ダイヒョウモイルシオレタチモイルカラ」

「あぁ、わかった。
悪いが先に帰らせてもらう。イーク行くぞ。」

イークを肩に乗せ扉を開けた。

ガチャッ・・・カラン・・・カラン


「じゃあな、また来る。」


「あぁ、じゃあな。」


私とイークは、隠れ家へと向かった。

ガチャ

「戻ったぞ、カイ。」

「おかえり、主、私の愛しい人。」

「ただいま、ダーリン♪」

(イチャつくなら私の目の届かないところでしろ!)

(やっと一息つける。)

ベッドに寝そべった。

「?・・・どうした、主よ。つかれているようだが。」


「あぁ、ギルドでな・・・ということがあったんだ。」


「そうか。(主は鈍感ではないはずだが?)」

「なぜ、あいつは私にあんな事を聞いたのだろう?はぁー。なにか探っているのか?」


「主様って鈍感なの?アクレアが主様のことをそういう目で見てるってことじゃないの?」


(相変わらず私の夫はド直球だなw)



「それは・・・ないな。」


「?・・・どうして?」

「アイツに初めて会ったときに好みじゃないと言われたからだ。」


「え、そうなの?じゃあ違うわね。」


(はぁー。好みじゃ無くても気になることはあるだろ。恋に関してはイークも主もバカだな。まぁ、教える気はないがな。)

「まぁ。いい、そろそろ寝るぞ。そうだ、カイ
明日の夜にまたジークと仕事に行ってくる。」

「了解した。」


「おやすみ。カイ、ジーク」

「おやすみなさい、主様、カイ」

「おやすみ、主、ジーク」


「「「Zzzzz」」」



その頃、ギルドではーーアクレア目線

目を開けると

家じゃない天井が見えた。

「ウ~ン、あれ・・・俺」

「よかった、目が覚めたんですね?」

「マルニ、俺どうして・・・?」


「君、最後の質問を聞いた後に倒れたんですよ。」

「最後の・・・あぁぁぁ」《大声》
(そうだ、最後の質問・・・)

「どんまい」

「お疲れ様」

「ツギガアルゾ」

ギルドにいた全員から慰められた。


「それに、リーフさんが恋してるだけでお付き合いしているわけじゃないんですから、今からでもイケますよ。」

そう言ってきたのはリッキー"さん″だった。
リーフは、知らなかったようだがこの人は、
童顔なのと身長が低いせいで年下に見られがちだが
30を過ぎている成人男性だ。
あと、闇ギルドの副代表でもある。裏でギルドを支えているのはこの男だ。
(リバ可能らしくいろいろ他のところで喰っているらしい)


「どうしたんですか?アクレアさん」

「いえ、何でもないです。副代表」

「やだなぁー。リッキーで呼んでくださいね?」

わぁー、リッキーさんの笑みが怖い

「そうだぞ、リッキーの言うとうりまだ大丈夫だ!頑張れアクレア!」

「代表!!」
(あんた、いい人だな!)

「ダケド、アイツノコウカンドヲアゲルノハタイヘンダトオモウゾ」

「どうしてだ?スミス」

「こいつ、リーフと初めて会ったときに好みじゃないとハッキリ言ったからな。」

ゼナの口から絶望が吐き出された。


「「「「え?」」」」


「俺、そ、そんなこと言ったのか?」
(冗談だと言ってくれ!)

「ホントウダゾ。オレモイタカラナ、ミテイタ。」

「我もその場にいたぞ。」


ゼナ、スミス、イアン3人も目撃者がいるのか。

俺が燃え尽きていると

「よし、その状況を詳しく言え、イアン。」

「了解した。代表
初めてリーフとアクレアが会ったのは、リーフと我が酒場で意気投合して一緒に飲んでいる時にコイツらがきたのだ。
そのあと、4人で飲んでいたら酔ったアクレアがリーフに自身の好みを言い出し。最後に『お前は好みじゃない』と言ったのだ。」


「ア、ァァァァァァァァ!!!!」

(その時の俺を殴って止めたい!)

俺は、膝から崩れ落ちた。


「うわ、サイテー。」


「それは、ないな。」


「すまん、フォローできん。」

メンバーからさまざまなことを言われた。

ポン

肩を叩かれ、見上げると


「頑張れ!」

代表にいい笑顔で言われた。

「うわぁぁぁー!(泣)」

(あんたホントいい人だな!!!)

「よし、酒を飲んで忘れよう!」

「そうだな、アクレアやけ酒なら付き合うぞ!」


メンバーでギルドにある酒をすべて飲んで朝までどんちゃん騒ぎをした。



「好感度が低いなら、上げてやる!
好きなやつがいても振り向かせてやる!!
待ってろよー。リーーフーー。」


俺は朝焼けに叫んだ。

「おお、頑張れ!」

「手助けはしてやる!!」

俺には闇ギルドのメンバーがいるんだ!
俺に惚れさせてやるからな、リーフ













「クシュンッ!!」


「風邪ですか?主」

「暖かい格好しないとだめよ、主様」



「あぁ。」

(私は風邪は引かないはずなのだが?)


=======================

闇ギルド

闇とはいっても帝国に認可はされている組織
(戦争などの時にスパイや武器の融通をするのが条件)

しかし、ギルドとは違い登録するには技術がないといけない。


用心棒、詐欺師、盗賊、義賊、男娼、情報屋などさまざまな職種の人間が所属している。
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