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番外編
エルヴィンの誕生日 4 ★
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エルヴィンの指と唇に、幾度となく絶頂へと導かれたシフィルは、荒くなった呼吸を整えながらシーツの上に身体を投げ出した。
ショーツはすでに意味をなしていないほどにぐっしょりと濡れているけれど、脱がせるのが勿体ないというエルヴィンの主張によりシフィルは未だ下着を身につけたままだ。
「シフィル、疲れた?」
「ん、大丈夫……」
「シフィルが可愛いから、ついやりすぎてしまうな」
小さく笑ったエルヴィンが、ゆっくりとシフィルを抱き起こした。身を任せて身体を起こせば、エルヴィンと向かい合って座ることとなる。先程までの自分の乱れようや、汗や何やらで濡れて肌に張りつく下着の状況とか、諸々の恥ずかしさでうつむこうとしたシフィルの顔を、エルヴィンの手が止めた。
「シフィル、お願いがあるんだけど」
「な、何……?」
この状況でエルヴィンからのお願いごとなんて、嫌な予感しかない。くすりと笑った声も少し意地悪な響きをしていて、それはベッドの上でシフィルを追い詰める時と同じ声だ。
「今日は、シフィルが上になって」
「え……」
「この下着を着たシフィルはすごく可愛いから、目に焼きつけておきたい」
「も、もうたくさん見たでしょう……っ」
「まだ足りない。それに、今日は――」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、エルヴィンがちらりと時計を見た。すでに日付が変わって大分経っている。誕生日のお祝いとしてねだられていることは分かっているし、これ以上抵抗したところで就寝時間が更に遅くなるだけだ。きっとエルヴィンは諦める気はないだろうから。
「……っ、今日だけ、だからね!」
羞恥心を振り払うように小さく叫ぶと、エルヴィンがうなずいて嬉しそうに笑った。そんな笑顔を見られるのなら、この恥ずかしさも我慢できると思ってしまう自分は、つくづくエルヴィンに夢中だなと考えながら、シフィルはゆっくりとエルヴィンの身体をベッドに押し倒した。
◇
「……これは、やばいな」
うわずったようなエルヴィンの声に満足して、シフィルは笑みを浮かべた。
「気持ち、いい?」
とはいえ、問いかけるシフィルの声にもあまり余裕はない。いつもと体勢が違うからか、それともこの下着のせいで興奮しているからだろうか。熱く疼いた身体にエルヴィンのものを受け入れただけで、すでに軽い絶頂を迎えそうなほどなのだ。
震えて崩れ落ちそうだけど、身動きすればその刺激でまた一層高められてしまう。
快楽を逃すようにゆっくりと呼吸をしながら、シフィルはエルヴィンを見下ろした。
いつもはシフィルの髪がシーツに広がっているのに、今はエルヴィンの髪がシーツを彩っている。さらりと肩を流れた銀髪が、まるで囲うようにエルヴィンの顔の周りに落ちて、このまま彼を閉じ込めてしまえたらと思う。
「死ぬほど気持ちがいいし、こんなに可愛くて素敵な誕生日プレゼントをもらえて、俺は幸せ者だな」
本当に幸せそうにエルヴィンが笑うから、シフィルも嬉しくなる。だけど、いつまでもこうしていられるほどの余裕は、今のシフィルにはない。
「それは良かった……けど、私もう、限界……」
「限界っていうのは、こういう意味で?」
途端に意地悪な表情になったエルヴィンが下から突き上げるから、シフィルは悲鳴をあげた。
「や、待って、動いちゃだめ」
「じゃあ、シフィルが自分で気持ちいいように動いてみて」
「そんな、無理っ」
首を振って抵抗するものの、エルヴィンの手が腰に添えられて否応なく前後に揺さぶられる。
「だめ、エルヴィン……っ」
青緑の瞳に浮かんだ涙が、頬を滑ってエルヴィンの胸の上に落ちた。
悲鳴をあげて襲いくる快楽から逃れようと身体をよじるのに、腰を掴んだ手がそれを許してくれない。更に、手を伸ばしたエルヴィンがシフィルの胸の先を摘むから、その刺激にも身体が跳ねる。
受け止めきれないほどの感覚に、一瞬頭が白くなったシフィルの身体がぐらりと傾いだ。
「シフィル」
抱き止めたエルヴィンが、シフィルの背中に腕を回す。密着した身体のぬくもりにうっとりとしたのも束の間、そのまま下から何度も強く穿たれて、シフィルは必死でエルヴィンにしがみついた。
「や、あぁっ……エルヴィ……んんっ!」
逃れられない快楽に涙をこぼしながら、シフィルは身体の中で弾けるように熱いものが広がっていくのを感じとっていた。
◇
翌朝、いつもより遅い時間だったものの、シフィルは何とか起き上がることができた。
普段は最低でも一晩で二度は抱かれるのが常だけど、昨夜はシフィルの希望通り一度で終わって寝かせてくれたのだ。とはいえ、その一回がかなり濃厚だったような気はするけれど。
ちょうど仕事の休みが誕生日にかかっていたこともあり、シフィルは一日中エルヴィンのそばにいて、誕生日を祝った。
食事も、作ったケーキもプレゼントも、どれもエルヴィンは嬉しいと喜んでくれたし、幸せそうな笑顔をたくさん向けられて、シフィルも幸せな一日となった。
「ん? これ、シフィル宛だな」
家族や友人から届いたプレゼントを仕分けていると、エルヴィンがひとつの箱をシフィルに手渡した。可愛らしいラッピングのその箱の差出人は、友人のアレッタとカリンだ。
「エルヴィンに渡して……ってことかしら」
首をかしげつつ箱を開くと、やはりそこにはシフィルとエルヴィンに宛てたメッセージカードが入っていた。
「あ、やっぱりエルヴィン宛よ。えぇと、お誕生日の素敵な夜のためにうちの新作を……ってちょっと待ってエルヴィンっ」
文面に嫌な予感がしたものの、その時にはすでにエルヴィンがシフィルの手から箱を取り上げていた。
中からあらわれたのは、やっぱりというか予想通りというか、下着だった。今回のものは薄くはないけれど、やたらとリボンが使われている。リボンは可愛いし、まるでエルヴィンの瞳を思わせるような色も素敵だけど、油断はできない。
警戒するシフィルの前で、エルヴィンが下着をそっと取り上げた。そして、くすりと笑う。
「これは、シフィル自身がプレゼントになれる、というものらしいな」
「私が、プレゼント……?」
首をかしげると、エルヴィンが笑いながら下着についたタグを指差した。そこには『プレゼントは、私♡』という文字と共に下着を身につけた女性のイラストが描かれていた。確かに全身にリボンを巻いたようなその姿はラッピングされたプレゼントに見えないこともないけれど、身につけるにはやっぱりハードルの高い下着だ。
「今夜はこれを着てくれる? シフィル」
にっこりと笑ったエルヴィンから逃げようとソファの上で身体をよじるものの、あっという間に腰に回った手に捕まってしまう。
「昨晩も着たのに? そろそろ普通の寝衣で寝たいわ」
無駄な抵抗と知りつつも小さくつぶやくと、エルヴィンの指先が言葉を封じるようにそっと唇に当てられた。
「だめかな。きっとよく似合うと思う。俺のための可愛いプレゼントになって、シフィル」
「うぅ、じゃあ……今夜、限り……なら」
結局、シフィルはエルヴィンに弱いのだ。彼が喜ぶのなら、嬉しそうな笑顔が見られるのなら、少しだけ頑張ってみようかなと思ってしまう。
「楽しみにしてる」
そう言って笑ったエルヴィンが、やっぱり幸せそうな笑顔を向けてくれるから。
そして、夜。いつもより早い時間にベッドへと連れ込まれたシフィルは、羞恥心に耐えながら新しい下着を身につけた。
エルヴィンは、それはそれは嬉しそうにシフィルの格好を褒め称え、昨晩セーブした分まできっちりと抱き潰されることとなった。
ショーツはすでに意味をなしていないほどにぐっしょりと濡れているけれど、脱がせるのが勿体ないというエルヴィンの主張によりシフィルは未だ下着を身につけたままだ。
「シフィル、疲れた?」
「ん、大丈夫……」
「シフィルが可愛いから、ついやりすぎてしまうな」
小さく笑ったエルヴィンが、ゆっくりとシフィルを抱き起こした。身を任せて身体を起こせば、エルヴィンと向かい合って座ることとなる。先程までの自分の乱れようや、汗や何やらで濡れて肌に張りつく下着の状況とか、諸々の恥ずかしさでうつむこうとしたシフィルの顔を、エルヴィンの手が止めた。
「シフィル、お願いがあるんだけど」
「な、何……?」
この状況でエルヴィンからのお願いごとなんて、嫌な予感しかない。くすりと笑った声も少し意地悪な響きをしていて、それはベッドの上でシフィルを追い詰める時と同じ声だ。
「今日は、シフィルが上になって」
「え……」
「この下着を着たシフィルはすごく可愛いから、目に焼きつけておきたい」
「も、もうたくさん見たでしょう……っ」
「まだ足りない。それに、今日は――」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、エルヴィンがちらりと時計を見た。すでに日付が変わって大分経っている。誕生日のお祝いとしてねだられていることは分かっているし、これ以上抵抗したところで就寝時間が更に遅くなるだけだ。きっとエルヴィンは諦める気はないだろうから。
「……っ、今日だけ、だからね!」
羞恥心を振り払うように小さく叫ぶと、エルヴィンがうなずいて嬉しそうに笑った。そんな笑顔を見られるのなら、この恥ずかしさも我慢できると思ってしまう自分は、つくづくエルヴィンに夢中だなと考えながら、シフィルはゆっくりとエルヴィンの身体をベッドに押し倒した。
◇
「……これは、やばいな」
うわずったようなエルヴィンの声に満足して、シフィルは笑みを浮かべた。
「気持ち、いい?」
とはいえ、問いかけるシフィルの声にもあまり余裕はない。いつもと体勢が違うからか、それともこの下着のせいで興奮しているからだろうか。熱く疼いた身体にエルヴィンのものを受け入れただけで、すでに軽い絶頂を迎えそうなほどなのだ。
震えて崩れ落ちそうだけど、身動きすればその刺激でまた一層高められてしまう。
快楽を逃すようにゆっくりと呼吸をしながら、シフィルはエルヴィンを見下ろした。
いつもはシフィルの髪がシーツに広がっているのに、今はエルヴィンの髪がシーツを彩っている。さらりと肩を流れた銀髪が、まるで囲うようにエルヴィンの顔の周りに落ちて、このまま彼を閉じ込めてしまえたらと思う。
「死ぬほど気持ちがいいし、こんなに可愛くて素敵な誕生日プレゼントをもらえて、俺は幸せ者だな」
本当に幸せそうにエルヴィンが笑うから、シフィルも嬉しくなる。だけど、いつまでもこうしていられるほどの余裕は、今のシフィルにはない。
「それは良かった……けど、私もう、限界……」
「限界っていうのは、こういう意味で?」
途端に意地悪な表情になったエルヴィンが下から突き上げるから、シフィルは悲鳴をあげた。
「や、待って、動いちゃだめ」
「じゃあ、シフィルが自分で気持ちいいように動いてみて」
「そんな、無理っ」
首を振って抵抗するものの、エルヴィンの手が腰に添えられて否応なく前後に揺さぶられる。
「だめ、エルヴィン……っ」
青緑の瞳に浮かんだ涙が、頬を滑ってエルヴィンの胸の上に落ちた。
悲鳴をあげて襲いくる快楽から逃れようと身体をよじるのに、腰を掴んだ手がそれを許してくれない。更に、手を伸ばしたエルヴィンがシフィルの胸の先を摘むから、その刺激にも身体が跳ねる。
受け止めきれないほどの感覚に、一瞬頭が白くなったシフィルの身体がぐらりと傾いだ。
「シフィル」
抱き止めたエルヴィンが、シフィルの背中に腕を回す。密着した身体のぬくもりにうっとりとしたのも束の間、そのまま下から何度も強く穿たれて、シフィルは必死でエルヴィンにしがみついた。
「や、あぁっ……エルヴィ……んんっ!」
逃れられない快楽に涙をこぼしながら、シフィルは身体の中で弾けるように熱いものが広がっていくのを感じとっていた。
◇
翌朝、いつもより遅い時間だったものの、シフィルは何とか起き上がることができた。
普段は最低でも一晩で二度は抱かれるのが常だけど、昨夜はシフィルの希望通り一度で終わって寝かせてくれたのだ。とはいえ、その一回がかなり濃厚だったような気はするけれど。
ちょうど仕事の休みが誕生日にかかっていたこともあり、シフィルは一日中エルヴィンのそばにいて、誕生日を祝った。
食事も、作ったケーキもプレゼントも、どれもエルヴィンは嬉しいと喜んでくれたし、幸せそうな笑顔をたくさん向けられて、シフィルも幸せな一日となった。
「ん? これ、シフィル宛だな」
家族や友人から届いたプレゼントを仕分けていると、エルヴィンがひとつの箱をシフィルに手渡した。可愛らしいラッピングのその箱の差出人は、友人のアレッタとカリンだ。
「エルヴィンに渡して……ってことかしら」
首をかしげつつ箱を開くと、やはりそこにはシフィルとエルヴィンに宛てたメッセージカードが入っていた。
「あ、やっぱりエルヴィン宛よ。えぇと、お誕生日の素敵な夜のためにうちの新作を……ってちょっと待ってエルヴィンっ」
文面に嫌な予感がしたものの、その時にはすでにエルヴィンがシフィルの手から箱を取り上げていた。
中からあらわれたのは、やっぱりというか予想通りというか、下着だった。今回のものは薄くはないけれど、やたらとリボンが使われている。リボンは可愛いし、まるでエルヴィンの瞳を思わせるような色も素敵だけど、油断はできない。
警戒するシフィルの前で、エルヴィンが下着をそっと取り上げた。そして、くすりと笑う。
「これは、シフィル自身がプレゼントになれる、というものらしいな」
「私が、プレゼント……?」
首をかしげると、エルヴィンが笑いながら下着についたタグを指差した。そこには『プレゼントは、私♡』という文字と共に下着を身につけた女性のイラストが描かれていた。確かに全身にリボンを巻いたようなその姿はラッピングされたプレゼントに見えないこともないけれど、身につけるにはやっぱりハードルの高い下着だ。
「今夜はこれを着てくれる? シフィル」
にっこりと笑ったエルヴィンから逃げようとソファの上で身体をよじるものの、あっという間に腰に回った手に捕まってしまう。
「昨晩も着たのに? そろそろ普通の寝衣で寝たいわ」
無駄な抵抗と知りつつも小さくつぶやくと、エルヴィンの指先が言葉を封じるようにそっと唇に当てられた。
「だめかな。きっとよく似合うと思う。俺のための可愛いプレゼントになって、シフィル」
「うぅ、じゃあ……今夜、限り……なら」
結局、シフィルはエルヴィンに弱いのだ。彼が喜ぶのなら、嬉しそうな笑顔が見られるのなら、少しだけ頑張ってみようかなと思ってしまう。
「楽しみにしてる」
そう言って笑ったエルヴィンが、やっぱり幸せそうな笑顔を向けてくれるから。
そして、夜。いつもより早い時間にベッドへと連れ込まれたシフィルは、羞恥心に耐えながら新しい下着を身につけた。
エルヴィンは、それはそれは嬉しそうにシフィルの格好を褒め称え、昨晩セーブした分まできっちりと抱き潰されることとなった。
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