私のことを嫌いなはずの冷徹騎士に、何故か甘く愛されています ※ただし、目は合わせてくれない

夕月

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番外編

エルヴィンの誕生日 3 ★

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「……すごく、似合う」
 囁くようなエルヴィンの言葉に、シフィルはうつむいた。褒められても嬉しさよりも羞恥心の方が強くて、どんな表情をすればいいのか分からない。
「あんまり素直に喜べないわ」
 もじもじとうつむきながら、シフィルは少しでも身体を隠そうと柔らかな下着の生地を引っ張る。
「これは、脱がせるのが勿体ないな」
 死ぬほど恥ずかしいけれど、エルヴィンが楽しそうで嬉しそうなので、シフィルは目を閉じて羞恥心をどこかにやろうと努力する。

「おいで、シフィル」
 エルヴィンが優しい声で呼ぶから、シフィルは目の前の大きな身体に抱きついた。彼のぬくもりに包まれるのは幸せだし、こうしていれば恥ずかしい姿をあまり見られずにすむ。
「シフィルは、どこを触っても柔らかいな」
 そう言ってエルヴィンのあたたかな手が、剥き出しになったお尻を撫でるから、シフィルは思わず小さく悲鳴をあげた。下着は身につけているはずなのに、ほとんど紐のような形状のせいで、肌がほとんど隠れていないのだ。
「や、……っ、そんな触っちゃ……」
「すごく柔らかくて気持ちいい」
 何度も、むにむにと揉むように触られて、シフィルは少しだけ唇を噛んだ。それに気づいたエルヴィンが、首をかしげて顔をのぞき込む。
「……シフィル?」
「む、胸がこれくらいあれば……、良かったのに」
「そんなこと」
「だって胸は、こんな風にさわれるほど……ないもの」
 自分で言っておきながら、情けなくなってシフィルはうつむいた。途端に目に入る身体は、遮るものなく足元まで見ることができる。色気の欠片もない身体なのに、こんな妖艶な下着を身につけていることすら、何だか滑稽に思えてくる。

「シフィル」
 小さく息を吐いたエルヴィンが、そっとシフィルの身体を抱き寄せると、そのままベッドに押し倒した。はらりと落ちてきた夜色の髪が、シフィルの頬に柔らかく触れる。
「胸の大きさなんて、関係ない。シフィルはこんなにも綺麗で可愛いのに」
 愛おしそうに頬を撫でながら、エルヴィンが囁く。
「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、きっとこの下着だってもっと胸がある人の方が似合うもの」
 拗ねたようにつぶやくと、エルヴィンの手がするりと髪を撫でたあと、そっと胸に触れた。
「他の誰が着ても興味なんてない。シフィルが着るからいいんだ」
「あ、んっ」
 薄い布の上から、まるでなぞるように胸に触れられて、シフィルは思わず小さく声を漏らして身体を震わせる。
「ほら、すぐにこうやって反応するところも可愛い」
 つんと布地を押し上げるように硬くなった胸の先を見て、エルヴィンが楽しげに笑った。
「言わない、で……っ」
 首を振ったせいでにシーツの上に広がっていく銀の髪を掬い上げて、エルヴィンがそっと口づけた。
「ベッドの上でだけ乱れるこの髪も、細いのに柔らかい身体も、いつもより更に可愛い声も。全部、シフィルだから愛おしく思うんだ」
 ぎゅうっと抱きしめられて、シフィルは小さくうなずく。
「……というか、シフィル以外には反応しないと思う」
「え?」
 つぶやいたエルヴィンが、腕にぐっと力を込めて更にシフィルを強く抱きしめた。お腹に当たる硬いものの正体に思い当たって、体温がまた上がったような気がした。
 ものすごく恥ずかしいけれども、エルヴィンがシフィルを求めてくれていることがよく分かって、嬉しくなる。
 シフィルの表情が緩んだことに気づいたのか、見下ろすエルヴィンが安心したような笑みを浮かべた。

「こんなに妖艶で可愛いシフィルのことが早く欲しくて、もう待ちきれない」 
 囁いたエルヴィンが、輪郭をなぞるようにシフィルの身体を撫でる。それだけで、身体の奥に熱が灯ったような気がする。
「私でよかったら、いくらでもあげるわ」
「うん、シフィルしかいらない」
 そう言ってエルヴィンがゆっくりと口づけを落とした。
 柔らかく触れる唇は、時折ちくりとした痛みを残しながらシフィルの身体を隅々まで移動していく。
 それに応えるように、シフィルは何度も甘い声を上げながらエルヴィンにしがみついた。


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