【R18】魔女の悪戯に巻き込まれた2人の、とある夜の話

夕月

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7 魔法の発動条件

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「魔法の発動条件はね、俺がきみを欲しいと思うこと、なんだ」
「え……」
「つまり、その……、こういうこと、だ」
 ぐっと押しつけられた下半身に、何やら硬いものが当たっている。経験はないけれど、それが何か分からないほどエレノアは初心ではない。
「えっと、あの、フィン……」
「成人を迎えたきみに会うと思うと、ついそういうことを想像してしまって、そうしたら魔法が発動して女の子の姿になってしまう。だから、2人きりになるのを避けていたんだ。人目があれば、何とか堪えられるから」
 ため息をついたフィニアスは、エレノアを抱きしめる腕に力を込めた。
 身体に当たる彼の熱に少し戸惑う気持ちもあるけれど、エレノアだって今回の滞在でフィニアスと一線を越えることを期待していたし、彼も同じ気持ちであることが分かって嬉しくなる。

「魔法……、ちゃんと解けたみたいね。フィンの姿、女の子に変わらないもの」
「うん。本当に良かった」
 疲れたような声でフィニアスがうなずくから、エレノアは思わずくすくすと笑ってしまう。
「そんなに笑わないでくれ。このまま元に戻らなかったらと思うと、死にそうだったんだから。魔法を解きたくても魔女ロアンヌは全然捕まらないし、エリーは女の子の姿の方が好きなのかもしれないって少し傷ついたし」
「女の子の姿もとっても可愛かったけど、やっぱり私は今のフィンが一番好きよ?」
 そう言って見上げると、微かな苦笑を浮かべてフィニアスがエレノアの頭を撫でた。
「それは、良かった」
 囁いたフィニアスの手が、髪を撫でた後、頬に触れる。親指がゆっくりと唇をなぞり、その仕草にエレノアの鼓動が速くなっていく。

「フィ……ん……っ」
 じっと見つめる瞳に耐えかねて、名前を呼ぼうとしたけれど、それは柔らかな唇に塞がれて消えた。
 優しく触れるだけの口づけなのに、エレノアの身体から力が抜けていく。思わず縋りつくようにフィニアスのガウンを握りしめると、抱き寄せる腕に力がこもったのが分かった。
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