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忘れられない夜にして ★

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 一番触れるだけのキスを落としたあと、イーヴはシェイラの身体を抱き上げた。そのまま部屋の奥にあるベッドへと運ばれる。
 そっとシーツの上にシェイラを降ろしたあと、イーヴは小さく笑った。
「あらためて、すごい下着だな」
「そんなじっくり見られると、恥ずかしい……です」
「見せるための下着だろう。それに、よく似合ってる」
 検分するようにイーヴが布地に触れると、その薄さ故に直に触れられているような気持ちになる。
「見られて興奮してる? ほら、ここはもう硬くなってきた。まだ何もしてないのに」
「……っ、言わない、で」
「早く触ってくれと言われてるみたいだ。それとも、舐めてほしいのか」 
 どっちだろうなと笑いながら、イーヴの指先が胸をくすぐる。だけど肝心な場所には触れてくれないもどかしさに、シェイラは思わず身体をよじった。その拍子に、金の鎖が擦れて涼やかな音を立てる。
「ぁ、んっそれじゃ足りな……」 
「じゃあどうしてほしい、シェイラ。触ってほしい? それとも舐めてほしい?」
「んんっ、どっちも……っ」
「シェイラのその素直なところが、好きだよ」
「あ、あぁっ」
 笑いながらイーヴが、硬く尖って布地を押し上げる胸の先を指先で摘んだ。もう片方はぱくりと食まれて、思わず高い声が漏れる。敏感になったその場所には布地が擦れるざらりとした感覚すら刺激となって、シェイラは背中を反らせて身体を震わせた。
 左右の胸を交互に、途切れることなく指と舌で愛されて、シェイラはシーツを強く握りしめる。布越しの愛撫は気持ちがいいけれど、もっと直接的な快楽が欲しくて身体が疼く。
 かりかりと爪の先で胸を引っ掻く指に身体を震わせつつ、シェイラはイーヴの手を掴んだ。
「んっ、もう、直接触って……」
「物足りなくなってきたか? だけど、せっかく俺のために着てきてくれたのに、脱がすのはもったいないな」
 そう言ってイーヴは、しっとりと濡れた下着の布地をぐいっと引き下ろした。ふるりと揺れて姿をあらわした胸の下に下着が食い込んで、そのふくらみが更に強調される形になる。
「うん、これいいな」
 満足気に笑ったイーヴは、彼の手のひらに余るほどの白いふくらみを鷲掴むと、微かに震えて快楽を待ち望むその中心に強く吸いついた。
「あぁ……んっ、やぁっ」
「いい声。もっと聴かせて、シェイラ」
「や、そこで喋らない、でっ」
 彼が喋るたびに吐息が肌をくすぐり、それだけでシェイラの身体はぴくぴくと震えてしまう。今夜は媚薬を飲んでいないはずなのに、まるで全身が性感帯になったかのようだ。
「すごく敏感だな。可愛い」
 愛おしそうな声でそんなことを言うくせに、イーヴは意地悪な表情を浮かべると、かり、と胸の先に軽く歯を立てた。
「――っ!」
 その刺激に声もなく達したシェイラは、一度大きく震わせた身体をぐったりと弛緩させてシーツの上に手足を投げ出した。

「あぁ、イったか。だけどまだまだこれからだ。明日はゆっくり休ませてやるから、今夜は頑張って」
「待って、少し休憩……」
「あとでな」
 シェイラの言葉に笑顔で首を振って、イーヴの手は休むことなく動いていく。まだ絶頂の余韻を残すシェイラを揶揄うように胸の先を軽く弾き、その指先が目指すのは身体の中心。
 とっさに閉じようとした脚を軽々と止めて逆に大きく割り開くと、イーヴはそこに身体を滑り込ませた。
「やぁ……っ、イーヴ、待っ……」
「もう、とろとろになってる。すごく美味しそうだ」
 撫でるように指先が触れるだけで、くちくちと水音が聞こえる。ただでさえ薄い布地はあふれる蜜に濡れて更に透け、秘められた花弁の形すらくっきりと浮かび上がらせていた。
「や、見ない、で……」
「そんなこと言って、ここはひくひくと震えてるぞ。あぁほら、また蜜があふれてきた。早く舐めてって言ってるみたいだな」
「も、やだぁ、イーヴ意地悪……っ」
 自分でも意識していない身体の反応を指摘されて、羞恥にシェイラは涙ぐむ。だけど彼の言う通り、期待しているのも確かだ。
「シェイラが可愛いから、ついいじめたくなってしまう」
 ごめんと囁いたイーヴは、お詫びとでもいうように下着の上から秘部を舐め上げた。布越しでもその強烈な刺激に、シェイラは文句を言ったことも忘れて喘ぐことしかできない。
 まるで下着に染み込んだ蜜を全て舐め取るかのように執拗に舌を這わせたあと、ようやく下着が取り去られる。そして蜜の出どころを探るように、開かれた花弁の奥にイーヴの舌が深く挿し込まれた。
「ふ、あぁん……っ中、だめ……っ」
「どんどんあふれてくるな」 
「んんっ、だめぇっ、あぁぁぁっ」
 だめだと言いながら、シェイラは無意識のうちに腰を浮かせて、イーヴの顔に秘部を押しつけるようにしていた。
「あぁそうか、シェイラはこっちも好きだったな」
「あ、んん……っ」
 ぺろりと舌舐めずりをしたイーヴが、蜜に塗れた花芽にしゃぶりつく。最も快楽に弱い場所への刺激に、シェイラは再び勢いよく絶頂へと押し上げられた。
 がくがくと震える身体を抱きしめながら、今度はイーヴの指が中に入ってくる。絶頂を迎えたばかりの身体は、内側を擦る些細な刺激すら大きな快楽に置き換えてしまう。
「待っ……指、止まっ……! 今、イって……っあぁ……んっ」
「すごい、締めつけ」
 止めてほしいのか、もっとしてほしいのか分からないまま、シェイラの身体はイーヴの指を強く食いしめる。その反応に楽しそうに笑いながらイーヴが抜き差しを繰り返すから、シェイラは再びやってきた大きな快楽の波に飲み込まれていった。
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