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呼び出した使用人達によって二人を部屋から、そして屋敷から叩き出してもらって……
屋敷を追い出してからすぐは、出入り口の方から怒鳴り合う……というよりは、ドルシーの怒鳴る声とリュートの泣き喚く声が交互に聞こえていたけれど。
でも、それもしばらくして聞こえなくなった。
門の外と言わず、ある程度遠くまで捨てに行って来てくれたのかしら?
追加で伝えた事とはいえ、距離の指定はなかったけれど……気が利いてるわ。
静けさを取り戻した屋敷の中で、ゆっくりと腕を上へ伸ばして疲労の軽減を図る。
……と言っても……二人の考えの浅はかさが、多少予想を上回った程度。
大体は想定通りの事でしたけれど。
そこでふと、空へと視線を送る。
あまり意識してなかったけれど、見れば今日は随分と良い天気だった。
一つ何かを片付けた後と言うのは、仕事でもプライベートでもスッキリとするものね。
「あー、やっと静かになった……お茶入れてもらえる?」
「かしこまりました」
いつの間にか再び控えていた使用人に声を掛けると、彼女は丁寧に礼をしてから部屋を出て行く。
その後姿を見送りながら、この件に付属する後始末について考えを巡らせる。
さて、お茶を飲んだらとりあえず、報告書でも認める事に致しましょう。
頭の中で書き記す事を整理しながら、私は自分の部屋の方へと戻った。
屋敷を追い出してからすぐは、出入り口の方から怒鳴り合う……というよりは、ドルシーの怒鳴る声とリュートの泣き喚く声が交互に聞こえていたけれど。
でも、それもしばらくして聞こえなくなった。
門の外と言わず、ある程度遠くまで捨てに行って来てくれたのかしら?
追加で伝えた事とはいえ、距離の指定はなかったけれど……気が利いてるわ。
静けさを取り戻した屋敷の中で、ゆっくりと腕を上へ伸ばして疲労の軽減を図る。
……と言っても……二人の考えの浅はかさが、多少予想を上回った程度。
大体は想定通りの事でしたけれど。
そこでふと、空へと視線を送る。
あまり意識してなかったけれど、見れば今日は随分と良い天気だった。
一つ何かを片付けた後と言うのは、仕事でもプライベートでもスッキリとするものね。
「あー、やっと静かになった……お茶入れてもらえる?」
「かしこまりました」
いつの間にか再び控えていた使用人に声を掛けると、彼女は丁寧に礼をしてから部屋を出て行く。
その後姿を見送りながら、この件に付属する後始末について考えを巡らせる。
さて、お茶を飲んだらとりあえず、報告書でも認める事に致しましょう。
頭の中で書き記す事を整理しながら、私は自分の部屋の方へと戻った。
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