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言い争っていた二人ですが、ベルの音を聞くと動きも止まったみたいで一瞬静かになりました。
これを鳴らすと嫌な事が起こるって、条件付けされてるみたいね。
机にベルを戻して廊下に出ると、心得た使用人達が、既に二人の身柄を捕らえているところでした。

「えっ、ちょっと……!」

「イヤッ、あんた達何よ、離しなさいよ……!」

逃れようと身動ぎ、暴れようとでもしているのかしら。
二人それぞれ慌てているのが分かりますが、当然ながら使用人達はビクともせず。
ただ粛々と命じてある事を実行してくれるみたい。

動こうにも動けないでいる二人に、私は話し掛けます。

「お二人の言い分は散々聞きました。……聞いただけで、特に分かりはしなかったけれど……」

すっと外の方を指で示す。

「いい加減、人の屋敷でやらないでくださいな」

それを合図にしたように使用人達が二人を淡々と押しやり、或いは担ぐように屋敷の外へと連れて行った。

「り、リオン!この人達は一体……助けてくれ……うわぁっ!」

「助けても何も、私が呼んだので……?」

「やめて、離して!ちょっと、覚えてなさいよ……!」

引きずられていく姿を正面にて眺めながら、衣服の裾を摘んで軽く膝を曲げ、簡易的ですが礼を送って見送ります。

「ごきげんよう、お二人とも」


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