婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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「はぁっ……！？何それっ、そんなの通るわけ……」

「そこの奴に聞いてみりゃいい、今頃じゃんじゃん取り立てに来てるだろーぜ」

高笑いをする男を前にして、ルイスは茫然と反論する。
詐欺だと説明されたのに、偽物を掴まされているというのに、支払いの義務だけが出るとはどういうことなのか。
説明を求めてウィリアムの方を睨むが、彼はルイスの方など見てもいなかった。

「……連れていけ」

指示を受けた憲兵は、男を縛ったロープを引きながら廊下を歩いていく。

「はっ。……おい、さっさと歩け！」

「なあいいだろ、これだけ喋ったんだから！」

轡を外された男は何やらごねていて、あの調子では再び布を嚙まされることになるのではないか、とルイスは頭の片隅で考える……
……しかしそれは、現実逃避にも似た思考だった。

「……今の話、どういうこと……」

義兄と二人にその場へ残され、ルイスは掠れた声で尋ねる。
ウィリアムは手元の報告書を何枚か捲りながら、先ほどの男が白状したことを肯定するような言葉を言い始める。

「リストが出回っていたそうだ、この別邸にいる人間は一度詐欺行為にかかったことから商売をすることが容易いと……その手口も含めて」

「何をふざけたことをっ……で、でも！」

ルイスはあくどい者たちに良いように、つまり食い物にされた、ということではないか。
だというのに、可哀そうな被害者を前にしてウィリアムのこの態度は何だというのか。
ルイスは更に言い募ろうとしたが……