婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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「デタラメよ！こんなことあるはずないっ……」

ルイスは報告書を握り潰す。
この紙だって雑な書き付けに使われている下級のもので、正式な鑑定書とは程遠い。
こんなものが正当に扱われていいはずがないのだ。

………もちろん、その書類も簡易的な覚書として記されたものであり。
一時的な報告としてウィリアムへ回ってきたのだということが……
ルイスの頭の片隅にも、過らなかったわけではなかった。

それが証拠にルイスの気分は今までになく悪くなっていて、青黒い顔色をしながら脂汗を止められないでいる。
そんな義妹に、ウィリアムは無情な事実を告げた。

「正式な国指定の鑑定人を連れてきている。この意味が分かるか？」

国指定ということは、その鑑定人が黒と言えば黒に。白と言えば白と判じられるということになる。
別邸にて毎日購入品が大量に運び込まれていると聞き付けて物の真贋を確かめに……

「我が国の判断基準では、お前の集めた品物は全部ガラクタになるってことだ！」

そしてそれ以上に、ルイスの目が不確かであると突きつけるために、ウィリアムは鑑定人を連れてきていたのだ。

「そんなのっ……信じられるわけ……」

「お前が信じようが信じまいが結果は変わらん。この分だと、この部屋にあるものもそうだろうな」

ウィリアムは、拳を作ってその甲でドアをコツコツと叩く。
その中にルイスが押し入れていた品物は、商人たちから特別上等だと聞いていて………だから、まだ隠しておきたかったのに。