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「………?」

ルイスは、ウィリアムに問われた意味が分からずにただ眉間に皺を寄せて義兄を見上げる。
義父が、侯爵が自分を見放す?
ルイスが母に連れられて初めて会った時からずっと、あの人は彼女にずっと甘いというのに。

冷たく見下ろすウィリアムの顔を見ている内に、ルイスの顔は笑みに歪んだ。
彼女には、ウィリアムの心の内が見えるような気になっていた。

(この人、実子だっていうのにアタシの方が可愛がられてるからやっかんでるんだ)

「アハハッ……何言い出すかと思ったらぁ」

ルイスは勝ち誇るようにして高笑いをあげる。

「そんなことあるわけないでしょ、アタシがあんなに溺愛されてたのに見てなかったの?」

残るアルコールなのか別のものにも酔っているのか、奇妙に揺れながらルイスは笑う。
侯爵がルイスを見限るなんていうことは、彼女の頭の中にはカケラも存在してしなかった。

品を忘れたように哄笑するルイスのことを、ウィリアムは静かな目で見下している。
……そこへ、武装した男がやってきてウィリアムへと話し掛けた。

「……っ」

気まずくなったルイスは一人言葉を飲み込むが、男はウィリアムへと何事かを話し出す。

「失礼いたします」

「……ああ」 

「ちょっと。何アタシのこと無視して………」

ルイスは放っておかれる形になり、イライラと声をあげるが……ウィリアムはまるで、彼女のことなど存在を忘れていたように眉をそびやかせる。

「……何だ、まだ居たのか」

……そして。

「父はお前を見限るそうだぞ」

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