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ルイスが別邸に来てから、それなりの時間が経ってはいたが……侯爵である義父が帰還してからは、そこまでの日数も経ってはいない。
まだ侯爵家でトラブルの後片付けをしていなければならないはずのウィリアムが、こんなに早く別邸に来ている。
ということは、おそらく彼は本邸でも特に役に立てずにこっちに来たに決まっているのだ。

それに何よりも、ルイスの購入したものをどこかへ持っていってしまったり……さんざん優しく声をかけて上げたのに返事も返さなかったりと、ウィリアムの態度は硬化している。
今も、こうして買い込んだ品物を前にルイスを叱責しているのだから。
これ以上この男に猫を被っても仕方がなさそうだ、と。ルイスはウィリアムを切り捨てることにする。

(憲兵まで連れ込んで何のつもり……!?)

楽しく騒いでいたあれらが何者でもルイスには関係なかった。
憲兵が捕まえたということは悪人だろうか、だとしたら盛大に泣いて義父の同情が引けるだろう、と。
それぐらいの関心しかなかった。

「だからお義父さまあの人にはまだ黙っててよ!?大体何でこんなとこに来てんのよ、さっさと戻って……」

しかし、ルイスはそこで言葉を詰まらせた。
見上げているウィリアムの顔が、あまりにも暗く無表情であったためだ。
こちらに対して憎々しいほどに睨みつけていた先ほどとも違い、ルイスにもはや何の情もなくなってしまったかのような……

ウィリアムがゆっくりと口を開く。

「父が本当にお前を見放さないと思っているのか?」

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