婚約者の義妹に結婚を大反対されています

泉花ゆき

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……しかし武装した集団……憲兵は、ルイスに取り合わなかった。
粛々と荷物を運び出していく。
ルイスの私物……そのほとんどが、ここ別邸に来てから商隊たちを相手にをしたものばかり。

都へ献上されるようなアンティークの家具も、海の向こうで流行っているらしいきらびやかな小物も。
そして、透明度の高い大きな石のついたアクセサリーも……全てが武骨な手によって運ばれていってしまう。

「離せぇ!このクソ憲兵共が!」

「うるさい、大人しくしていろ……!」

部屋の外では捕らえられている商人たちが騒ぎ、またそれを怒鳴り付けるような声が響いている。
何の躊躇もなく憲兵に悪態をつくのを聞く限り、あんな扱いを受ける心当たりでもあるのかもしれない。

(何よ、やっぱり怪しい奴だったってこと!?ううん、それはもうどうでもいい!それより……っ)

──アタシの集めたコレクションが!!

「あっ、お嬢さま……っ」

使用人の制止を振り切るようにして、ルイスがエントランスへ走り出す。
激昂した気持ちを抑えようともしないで、後先も考えずに怒鳴り付けようとした時だった。

「このっ……いい加減に……!…ぁ…っ!?」

幾人かの憲兵とすれ違うように、屋内へと入ってくる姿があった。ルイスは、その姿を見て驚いたように言葉を失う。
出入り口からの逆光を背負ったその男は、ルイスの姿をちらりと見ると……憲兵へと言葉をかけた。

「……ご苦労。……あれは、こちらで話をする」
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