婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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忌々しくもルイスが関わってしまった件の集団は、憲兵の尽力によってほとんどが捕縛されているのだと聞いた。
……けれど、噂ではそう聞いてはいるものの、残党がいないとは限らない。

貴族の家々へと旅の商隊が回ってくるというのは、決して珍しいことではないが……
今はこの屋敷に、主人と同等たる格の人間は不在となっている。

(もちろんアタシがいるんだから、皆アタシの指示に従うってことになるけど！)

そして警戒心がないのか絆されているのか、使用人たちはすっかりと商隊に心を掴まれているようだった。
見てみると、手に見慣れないものを持っている。

「それは～？何持ってるですか」

ルイスが尋ねると、彼女たちは嬉々として手の中の雑貨を差し出してきた。

「私たちにもこのようなお土産を下さったんです」

「お嬢様にも贈り物の数々をご用意していると……」

受け取ってみると、この辺りで見ることはない金属細工の小物だった。
小さな石も散りばめられていて、繊細でいながら華やかでもあった。
手の中で日の光を受けて輝く小物、その物珍しさにルイスの心が擽られる。

「さるお方から請われて、王都の方へ売り出しに行くんですって」

造りや材質一つとっても異国のものであることには間違いがなさそうで、旅をしながら国々を回っている……というその説明にも、信憑性が増すような気持ちがあった。

(こーいうのを用意できるってことは……遠くから来てるっていうのも嘘じゃないみたい……？)