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仮にもケリーティアと婚約破棄をする時までは、自分も含めて共に領地の管理をしていた間柄だと思っていた。
しかしあの頃はそれが当然すぎて気付かなかったが、何か困ったことがあればケリーティアに相談して……そうすると、彼女がいくらもしない内に的確な答えを出してくれていたのだった。

今回のことに関しても、何が問題なのかは嫌というほど領地からの手紙ででも使用人からの直接的な言葉ででも、突き上げるように大量に聞かされている。
しかし、それに対処する方法をウィリアムは何も持ち合わせていなかった。

(ケリーティア……彼女がいれば……すぐにこんな事にも答えを出してくれるだろうに……なぜいなくなった……!)

……今からでも婚約破棄をなかったことに出来はしないだろうか。
彼女のあの高慢ぶりは目に余るものではあるが、しかしこちらを嫌っているわけではないだろうし……
少しぐらい、謝るふりをしてやることも考えないではない。

(そもそもなぜ、婚約破棄などに至ったのだったか……)

短い間で一度に情報を詰め込まれて、どこか頭がぼうっとする。
こめかみを指で揉みほぐしながら、ウィリアムは考えても仕方ないことを頭へと浮かばせた。

……そうだ、ケリーティアが……ルイスが何か、良からぬことをすると言って……
そして、ルイスからもケリーティアへの苦情を聞かされていたのだった。

……一体、どちらが本当のことを言っていたのだろう。

「ウィリアムお義兄様~?こんなところにいたですかぁ」
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