婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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どうしてこのようなことになっているのか。
元はといえば何だったのか？
……それはルイスに囁かれたことが始まりだった。

ケリーティアはお義兄様の邪魔をしていると。
ルイスとウィリアムの仲に嫉妬をして意地悪をしてくると。

ルイスがウィリアムお義兄様のためにお仕事をするから待っていてほしいと。

だが、結果はどうだろう。

『最近、中央の市場で詐欺の集団がまた出ているらしい……』

『ああ、豪商や下位貴族が何人かやられているとか……』

『手口は以前に回っていたものだろう？確か手配書も……』

『ようやく守備隊も動くと聞いたぞ……それにどこかの貴族が関わっているとの噂が……』

……流れてくる噂の詳細を聞くほどに、知人の集団に酷似していることに汗が止まらなかった。
そこに来て、侯爵家から早馬が来たとの伝達をもらう。

パーティ会場で仕入れた情報は未だ曖昧なものも多かったが、あんな場で口に上る話題ということは貴族の誰もが知っているということでもあり……
今夜、これからの行動次第でも自分の進退は決まってしまうかもしれなかった。

……それは元婚約者に領地の管理を全て任せて遊びに耽っていた侯爵令息にとっては、あまりに急すぎる出来事であり……
焦燥の末、憤りは目の前の義妹に向かう。

「こんなことならっ……」

ウィリアムの目は憎々しげにルイスを睨み付けた。

「こんなことならお前を信じるんじゃなかった、そうしていればケリーティアと婚約破棄などしなかったのに！」