婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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事も無げに言ってのけるルイスを前にして、ウィリアムは苛立ちをあらわにするように眉間へと皺を寄せる。

「ルイス……お前が領地の手助けをすると行って向こうへ出向いて行った際、商人の力も使うと言っていたな？」

「そんなこと言ったです……？」

「お前……」

ルイスにとって、大事なことはケリーティアを侯爵家の管理地域から排除することだった。
その為になら何をしてもいいと思っていたし、確かにその時に商人を連れて行った気がしないでもない……

「……よく覚えてないです。でも、それが何です？」

「……あの領地を助けるためだといって、商人たちと何か契約を結ばなかったか？」

「えー？」

（そんなん覚えてるわけないし……でも何か怒ってる……？）

ウィリアムがやたらイライラとしてルイスに問うものだから、ルイスとしても思い出そうと記憶を探ってみる。

「……そういえばぁ、その中の一人が……その方が都合がいいとかって言ってたような気がするです」

都合がいい、というのは……ケリーティアを締め出すことに対してだ。


華やかな席で見た目のいい人間に囲まれながら、ルイスを賛美するために開かれた会というのは心地よくて……
彼女は口も軽くなっていた。
ルイスは、会話の巧みな劇団員や商人たちを前にして、愚痴のようなほのめかしを何度かしていた。

その際、ルイスの気持ちを汲み取ったとされる商人から『それならこういう案はどうでしょう？』と差し出されたものがあったのだ。