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「……私と同様の行いを?」

「ええ」

マリアンヌは、部屋の扉の方へまっすぐな視線を向けながら……先ほど、ルイスへ明かそうとした事情を仄めかす。

「……フレンツ様と縁が繋がる方は、自然わたくしとものです」

彼女ルイスはマリアンヌとフレンツの関係を聞くことを頑なに拒んで……というより、最初から聞く耳を持っていなかった。
部屋を移してからは疑問に思い始めたように見えてもいたが、それもウィリアムが乱入したことで明かすタイミングは失われてしまった。

……伝えたところで態度が変わったとも思えないし、ともすれば悪化をしたかもしれないが……
それも、今考えてもせんのないことだと……マリアンヌには、そう感じられた。

大事なことは、縁の繋がる人間の動向を見定めること。彼女は選別を行おうとして侯爵令息の婚約者に散々な行いをしているらしいが……果たして、自分が選別される側になるという意識が欠片でもあったのだろうか。

……されるされないに関わらなくとも、貴族として相応しい振る舞いであるとは到底見えなかったけれど。
何しろ、見ず知らずの人間にあのような行いをする人間なのだから。

「そういった方の動きを気にしているのは、フレンツ様も同様でございましょう」

自身が独自に婚約者ルイスの調査をしていることを示されてフレンツは肩を竦める。

「……私は未だ、表立っての行動は控えるべきだと思っているよ」

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