婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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「マリアンヌ……君はそんなことを……」

令嬢の告白を聞いたフレンツは、どこか疲れたように額を抱える。
……その様子を見たルイスは、思惑通りフレンツが呆れたことに好都合だと思ったのだけれど……
同時に、二人の関係がまたわからなくなったのも確かだった。
どこかで疑っていたけれど、別に全面的に令嬢の意見に賛成するわけでもないようだし……

（何なの？やっぱりこの女の存在に迷惑してるってこと……？だったら早く怒るなりして出ていかせてほしいんだけど……）

ルイスは立ち上がると、今度はマリアンヌのほうをきっと睨む。

「ふ、フレンツ様もこう言ってるでしょっ。早くルイスに謝ってから出てくですっ……」

「ぶしつけだったことは謝罪いたします。けれど……」

……先ほどより弱弱しい声になってしまったルイスのことを、マリアンヌはちらりと一瞥する。
そして、その冷たい視線を隠そうともせずに言葉を続けた。

「ルイスさんは、同じようなことをご自身のお兄様であるウィリアム様の婚約者にもおっしゃっているのでしょう？であれば、ご自分が言われる立場になる想定もしていなかったのかと」

「マリアンヌ……！」

フレンツが途中で窘めるように名を呼んだが、マリアンヌはそう言い切ってから静かに目を伏せた。
ルイスは混乱しながらも、口からは反論がついて出てしまう。

「どうしてそんなこと、見ず知らずのあんたに……」

すると、今度はマリアンヌが静かな動作で椅子から立ち上がった。