婚約者の義妹に結婚を大反対されています

泉花ゆき

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主催者の厚意で用意された部屋へと案内されたのは、ルイス、フレンツ……それから、ドレスを汚された少女。そしてその周囲に取り巻きのように居た子女が数人だった。

フレンツは少女のほうをさりげなく気遣うような素振りを見せながら共に歩き、ルイスはそれを後ろで眺めながら着いてゆく。……こんなところでも、あの日……ケリーティアへ水をかけたところにフレンツが現れて、そのまま彼女を送りに侯爵家を立ってしまったことが思い起こされた。

(でも今日は……先にあっちからじろじろ見てきて喧嘩売ってきたわけだし……!それに他人に婚約者としての資格がどうとか言われたんだから怒っても仕方ないでしょ……!?)

それに、ルイスが何をしたのかはあの日だって今日だってフレンツは直接見ていないのだ。この気に入らない女たちが何を言おうとも、ルイスのほうを信じてくれるに違いない……

だって自分はフレンツの言った通りに……役立たずのケリーティアが立てた計画を潰して侯爵家の手助けをしたし、こうやって本当は来たくもないパーティーに出席して見せているのだから。

急遽用意されたらしい応接間には暖炉に火がくべられていて、人数分の椅子が揃えてあった。
フレンツは少女をまず座らせると、その隣へと腰かける。そしてめいめいに座るよう促すのだが……
これもさりげなく、ルイスとは一番離れた席を彼は示していた。

「……ルイス、君はそちらへ。……それで、改めて君に質問をするけれど……」
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