婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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ルイスの挑発とも取れるような……ほとんど悪意や敵意しかないような発言を聞いて、少女は抑えた声量で呟き始めた。下を向く目元には影がかかっていて、どのような表情をしているのか一見には分からないようになっている。

「……お耳に入れるまでもない、単なる……下らない噂だと思っていたけれど」

少女はゆっくりと顔を上げて、ルイスの目をまっすぐに見た。
幼い少女の目は大きく、ルイスはその少女の瞳を通して自分の顔を見るような錯覚に陥る。
ただ視線を送られただけだというのに、ルイスはひるむような心地になった……

「本当にこのような……あまりにも浅慮なことをされる方でしたのね」

少女の口調は、淡々としたものであった。噂が事実であったことを、再確認しただけのような……
浅慮という単語の意味はすぐには頭に通らなくても、バカにされているということだけはルイスにも直ぐに分かった。

「何なのです？手が滑っちゃったって言ってるでしょ……」

腕を組んでフンと顔を逸らしてやる。なぜか冷や汗をかくような心地がしていた。
……今、責められている……？侯爵令嬢たる、このルイスが……

少女はルイスの強がりを何とも思っていない口調で言葉を続ける。
少女の口調はあくまで騒ぎ立てず、平静を持ったものだったが……

「義理の兄である……侯爵家令息のウィリアム様の……その婚約者、ケリーティア様にもこのようなことをされているのでしょう」

「はぁ！？……なっ、何言って……」