婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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「ルイスはお義兄様のために今回動いたですから。あの女を引き離せたことで、もうルイスのしたいことは全部終わったってことなのです」

分かる？とでもいうように鏡越しに目を覗かれ、使用人は固まりながらこくこくと頷いた。
口許は笑っているようだけれど、ルイスの機嫌は傾き始めていて、目が真顔になっている。

頷いた使用人を満足そうに見たルイスは、ぽんっと両手を打ち付けた。明らかにたった今何かを思い付いたような仕草だったが、それを前々から考えていたように軽い調子で嘯うそぶく。

「てゆうか今回の目的はぁ、領地のお仕事をウィリアムお義兄様のところへ戻すためだったです」

「そ……そうだったのですね……」

「ケリーティアあの女がめちゃくちゃにしてたお仕事をお義兄様の元へ戻したですから、それでルイスの役割はおしまい！きっとお義兄様も喜んでくれるですー」

どこか幼さが目立つこの義妹の思い付きで政策を行われるよりも、元々の管理者である侯爵令息のウィリアムに任せた方が物の道理は通っているのかもしれない……
そんな思いで使用人は自らを納得させる。

「はい……きっとお喜びかと思います……」

「でしょー？」

ルイスの方は、それでもう興味を失ったとばかりに、整えられた髪へ色とりどりの宝石が散りばめられたアクセサリーを当てて鏡を見ていた。

「そんなことより、今度のパーティーに付けてく髪飾りの話をするですよ。指輪もネックレスも新しいものを買うですし」