婚約者の義妹に結婚を大反対されています

泉花ゆき

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「だがルイスは現に支援を行おうとしているんだろ?お前が断ったからこそ独断になってしまったということだろうに」

断ったと言われても、まず話に出されてもいません。なんと伝えたら誤解がとけるのか、わたしが一瞬言葉に詰まってしまうと……
ウィリアム様は、ルイスさんの考えを聞いたのがよほど嬉しかったのか……今度は自慢のようなことを始められました。

「領地の人間が心配でいてもたってもいられなかった、と言っていたぞ。ルイスはなんて優しい子なんだろうな。それをお前は突っぱねたんだぞ」

「ですから、突っぱねるも何も……申し出をされてないのにどう断れと……!」

それに、現地にて話を聞いたところ……ルイスさんの行おうとしていることは出鱈目でたらめはなはだしくて、領地と領民を食い物にするような策でした……ただ商人の懐を肥やすためだけのようなものです。
あれを実行させるわけにはいきません。

「ルイスさんから事情はお聞きになったのですか?このままでは犠牲が広がるばかりです……詳細をご覧になれば、ウィリアム様もきっと……」

「くどい!」

わたしはまとめておいた資料を取り出したのですが、ウィリアム様はそれに目を通すでもなく、ばっと横に払ってしまわれました。

「何を……!」

慌て拾い集めようと絨毯へ膝をつけるわたしへ向かって、ウィリアム様は見下すような視線を送ります。
そして、その口からは信じられないような言葉を発されたのでした。


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