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「お待たせいたしました。こちらがここ数日の間に来ていたもの……それからこちらが、先ほど伝達として持ち込まれたものです」
「ありがとう、そこへ置いておいてちょうだい」
以前からの資料をベッドサイドにあるボードへ取り出して、肩へ羽織るものへ手を掛けながら声を掛けます。……そこで、使用人の様子がおかしいことに気が付きました。
「……伝達?」
見ると、選り分けられた一つの手紙を示しながら使用人は声を落とします。
……伝えに来た伝達人が、よほど切迫感を持っていたのかしら……
「はい、こちらは急を要すると……お嬢様の仰った通りになってしまいましたが……」
「そうね、けれど今抱えてるものはそもそも急ぎのものが多かったから……」
(だからこそ、このような時に倒れているべきではなかったのだけれど)
心配をする使用人へ、あくまで今は目を通すだけだと約束をして……先に手紙を受け取ります。使用人はそれをわたしへと差し出してからは礼をして部屋を出ていきました。
……朝食は軽く済ませたばかりですから、お茶を用意してくれているのでしょう。
受け取った手紙を裏返すと、手紙を閉じているその封蝋は支援を考えている地の有力者が使用しているものでした。
倒れてしまう直前にも手紙のやり取りをしていたけれど、その時にはこんな風に切迫するほどの用件はないように思えたけれど……
(天候も先月までを思えば落ち着いていると聞いたけれど、何か急変したことがあったかもしれないわ)
「ありがとう、そこへ置いておいてちょうだい」
以前からの資料をベッドサイドにあるボードへ取り出して、肩へ羽織るものへ手を掛けながら声を掛けます。……そこで、使用人の様子がおかしいことに気が付きました。
「……伝達?」
見ると、選り分けられた一つの手紙を示しながら使用人は声を落とします。
……伝えに来た伝達人が、よほど切迫感を持っていたのかしら……
「はい、こちらは急を要すると……お嬢様の仰った通りになってしまいましたが……」
「そうね、けれど今抱えてるものはそもそも急ぎのものが多かったから……」
(だからこそ、このような時に倒れているべきではなかったのだけれど)
心配をする使用人へ、あくまで今は目を通すだけだと約束をして……先に手紙を受け取ります。使用人はそれをわたしへと差し出してからは礼をして部屋を出ていきました。
……朝食は軽く済ませたばかりですから、お茶を用意してくれているのでしょう。
受け取った手紙を裏返すと、手紙を閉じているその封蝋は支援を考えている地の有力者が使用しているものでした。
倒れてしまう直前にも手紙のやり取りをしていたけれど、その時にはこんな風に切迫するほどの用件はないように思えたけれど……
(天候も先月までを思えば落ち着いていると聞いたけれど、何か急変したことがあったかもしれないわ)
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