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この間のこと、と伝えられればお茶会の話でしかあり得ません。
あのように中途半端なところで切り上げてしまったことを不本意に思われて、そしてお約束こそしてはいませんが伯爵家の領地にまで来て、ルイスさんのいないところでわたしにコンタクトを取りに来てくださったのだと……
だからこそ、内心はホッとして相槌を返したのですが……

「……先日の、お茶会でのことですよね」

「そうだ」

「よかった、今ちょうどそのことについて調べ物を……」

返事を得て、わたしの声は少なからず弾んでしまったかもしれません。積んであった本を何冊かと、レポートとしてまとめた書類群を示しながら、先日のお茶会で話せなかった分を今こそとばかり意気込むわたしに……
ウィリアム様は、理解が出来ない、と言ったような声を出します。

「……ん?」

ウィリアム様の、その声と不思議極まりないといった表情を見て……何か話が食い違っている、とすぐに気が付きました。
未だ席にはつかずに立ち上がっているウィリアム様を見上げ、わたしの方でもその嚙み合わなさにきょとんとしてしまいます。

「……えっと……?」

ウィリアム様は、そんなわたしの姿を見て一度「んんっ…」と咳払いをしてから着席をしました。
そして辺りを見渡して、近くに人影がないことを確認すると……
やましいことを話すように、口調をひそめてわたしへと話しかけて来たのです。

「君は……君が、その席でルイスに嫌がらせを行ったというのは本当か?」

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