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ルイスさんから伝言。
見送りを命じた使用人たちの口の重そうな様子を見れば、これが吉報ではないことはありありと分かります。
そして、同時にこの伝言は、わたしに伝えなければならないものだと言うことも。

内容がどんなものであれ、家付きの使用人が客人の命を無視することはあり得ないからです……
それも、名目だけはただ言付けということですから余計に。

考えてもいやな予感しかしませんでしたが、これを伝えずにいた時の使用人の責を思えば、聞かないわけにはいけません。

「何ておっしゃっていたの?」

仄かに感じ始めた頭痛をこらえるように軽く目を伏せます。
逡巡していた使用人は、正確性を大事にして……念押しをされた、ということも教えてくれました。

『ケリーティアさんにしっかり伝えてほしいです。フランツ様とのご挨拶の日を楽しみにしてるですから、絶対来てくださいって!』

その伝言を伝えて来た時のルイスさんは、それはそれは楽しそうな笑みを浮かべていた……とのことでした。

「……しっかりと承ったわ、ありがとう」

……言葉だけ聞けば本当に何ともないような伝言ですが、見送りを命じた使用人たちは……いいえ、そうでなくても。
わたしが別れ際に、どのような態度を取られていたのかということを知っています。

文字通り泥をかぶせるような真似をしておきながら、本人が愛しいと言ってはばからない婚約者へと積極的に会わせようとするだなんて……

……一体、あの方は何を企んでいるのかしら?
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