婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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……わたしとしてはいずれ来るであろう先のことを見据えて今からウィリアム様のサポートをしているだけのことです。

あまりに的外れな指摘が続くと、言葉ってこんなにも胸に響かないものだったのか、と。
新しい感想を得ながら、この誤解を解くべきなのか彼女の言い分だけでも一度聞いてガス抜きをさせてみていようかと……考えてる内にも、ルイスさんの口は止まらないようで……

「ご愁傷さま？お継父様だってお義兄様だって、アタシの方がアンタなんかよりずっと大事なんだからさぁ。ねえ聞いてんの！？」

「はい……」

しおらしく聞いているふりをして視線を伏せると、よく手入れされた中庭の緑が目に入ります。
少し遠くへ視線を移せば、追い払われるようにしてこの場所を離れさせた使用人たちが、心配そうな顔をしてこちらの様子を窺っていることも見て取れて……

……ご心配なく。ルイスさんは何やらくどくどと陰湿なお話をぶつけて来ていますが、あまりに現実とかけ離れているのでわたしの心には何も響きません……
そういって、微笑みかけるわけにはいかないのが少し困りものでしたが。

流石にこの状態で微笑みなど見せて、火に油を注ぐわけにはいきませんものね。
そうしてわたしは逃避するように、思考を遠くに馳せていたのですが……

「お義兄様だってアタシと過ごしたいに決まってるのに邪魔されてばっかりで頭来てんだよね。だからさぁ……」

……その時、いい加減に長く話をしてしまっていたのか。門の方角からウィリアム様の声が近づいて来ているのが分かりました。