婚約者の義妹に結婚を大反対されています

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「その前に………あなた達、ケリーティアさんとお話があるから下がっててくれるです？」

ルイスさんは、伯爵家こちらの使用人に向けて笑みを浮かべたままそう言いました。
……使用人たちは声に出して驚きこそしなかったものの、困惑をもってわたしの様子をうかがっているようです。

本来使用人たちは屋敷の住人であるわたしたち家族の命のみに従うよう言い付けられていますが……
我が家より爵位が上である公爵令嬢のルイスさんから発せられた言葉、となると話がやはり変わってきてしまうため……

伯爵家の使用人たちに愚鈍な者は多くありません。
ルイスさんがわたしに対して何らかのよくない感情を覚えていることも、彼ら彼女らは分かっていて戸惑いを見せているのでしょう。

……今は、ただ人払いを頼まれただけ。
わたしからも軽く手を振って、改めて使用人たちへと告げます。

「……大丈夫よ。そんなに掛からないと思うから下がっていてちょうだい」

「かしこまりました……」

静かに礼をして、話の聞こえなくなるような距離を保つように使用人たちは離れてゆきます。
ルイスさんは、人が下がって行く様子を満足気に見送りました。

「……これで宜しいですか」

今はもう、早く済ませてしまいたい……そのようなことばかり頭に浮かんでしまい……
そんなわたしの胸中にはもちろん構うことなく、ルイスさんは勿体ぶるように口角を上げて……そして唇を開きました。

「あのさぁ、ケリーティアあんたいつになったら分かってくれんの？」