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しおりを挟む「それもこれも、あんたがよくやってくれたからだよ、カテリィナ」
「いいえぇ、それも全部お義母様のおかげですものぉ!」
それは暗にして、そのカテリィナを連れてきた自分のおかげであると……侯爵夫人は自分を褒めているのでしたが。
カテリィナもそこのところはよく分かっているので、侯爵夫人を持ち上げることを忘れはしませんでした。
侯爵夫人は満足そうに、手の中にある宝石を眺めています。
ルナリーが居たころには何もかもが気に入らなくて、その苛立たしさを買い物へぶつけていた時もありましたが……
今となっては、邪魔者が片付いた……そのすがすがしさに、以前とは違った気持ちで買い物への意欲がわいて来ていました。
「これと……それがいいわね。地金はさっきの中で一番上等なものを頼むよ。それからデザインは……」
「お義母様ぁ、サイドにこちらの宝石をちりばめるのも綺麗ですわぁ」
「でしたら、このようなデザインはいかがでしょうか」
話はとんとん拍子に進んでいきます。金に糸目はつけない、と宣言されているようなものですから、商人たちも腕を振るって自分たちが出せる最上級のものを見せに来ているのでした。
輝くような美しさを持つ宝石たちをいくつか選んで複数のアクセサリーへ仕立てることを決め、それぞれデザインをああでもないこうでもない、と楽しむ……
専属のデザイナーが持ち込んだカタログには流行の最先端と取れるデザインが並んでいて、どれもこれも魅力的に見えるのでした。
そのような楽しい会が進む中で、ふとカテリィナが呟きます。
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