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「……は?今、何と……」
何を言われたのか、義母には一瞬理解が出来ませんでした。
この部屋に入ってきた時から表情を一つも変えないで、臆すことなく義母の目を見て……
そしてきっぱりと、侯爵家の子供が出来なくて幸いだと、義母に向かってルナリーは伝えたのです。
「な、なんですってぇ!?……うっ……」
「お、奥様……!」
激昂して椅子から立ち上がる義母ですが、急に姿勢を変えたことでアルコールが突然回り、ぐらっと視界が歪みます。
控えていた使用人が慌てるように支えに来ますが、それを振り払うようにして椅子を支えにしながらルナリーを睨みつけました。
「はぁ、はぁっ……今、何とお言いだね……子爵家ごときの分際で……」
義母がそのような状態になっているにも関わらず、ルナリーは自らの姿勢も視線もまっすぐな状態から動かずに言いました。
「それに、その子爵家ごときの財をあてにして随分と派手に色々なものを取り揃えていたようですけれど……」
そして、義母の目線へ向けていた視線を、ルナリーはゆっくりと動かしました。
豪奢なドレス、上等のワイン、王国御用達の家具職人がこしらえた椅子……
彼女の眺めているものはどれもこれも、ルナリーの持参した法外な金から……持参金を元にして購入したものでありました。
持参金だけではなく、子爵家の業績が上がればその分だけの融資を受けていたのです。
「お黙りよ!いいかい、今回のことはあんたが原因なんだからね!あんたが子を成せなかったからっ」
何を言われたのか、義母には一瞬理解が出来ませんでした。
この部屋に入ってきた時から表情を一つも変えないで、臆すことなく義母の目を見て……
そしてきっぱりと、侯爵家の子供が出来なくて幸いだと、義母に向かってルナリーは伝えたのです。
「な、なんですってぇ!?……うっ……」
「お、奥様……!」
激昂して椅子から立ち上がる義母ですが、急に姿勢を変えたことでアルコールが突然回り、ぐらっと視界が歪みます。
控えていた使用人が慌てるように支えに来ますが、それを振り払うようにして椅子を支えにしながらルナリーを睨みつけました。
「はぁ、はぁっ……今、何とお言いだね……子爵家ごときの分際で……」
義母がそのような状態になっているにも関わらず、ルナリーは自らの姿勢も視線もまっすぐな状態から動かずに言いました。
「それに、その子爵家ごときの財をあてにして随分と派手に色々なものを取り揃えていたようですけれど……」
そして、義母の目線へ向けていた視線を、ルナリーはゆっくりと動かしました。
豪奢なドレス、上等のワイン、王国御用達の家具職人がこしらえた椅子……
彼女の眺めているものはどれもこれも、ルナリーの持参した法外な金から……持参金を元にして購入したものでありました。
持参金だけではなく、子爵家の業績が上がればその分だけの融資を受けていたのです。
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