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思い返されるのは、つい先ほどの会話。
姑からは、一年経っても子供が出来ないなんて……と、さんざん言われて来ましたが。
そもそも、ルナリーとザウダには夫婦でありながら、ろくろく話したことすらなかったのです。
この縁談が持ち上がったことも、ルナリーの生家である子爵家所有の領地で鉱脈が見つかったことが発端でした。
国内外で高値に取引される鉱物が見つかったことから子爵家は資産を爆発的に増やし、その噂を耳聡く聞きつけた侯爵家からのたっての頼みで叶えられた婚姻です。
資産は増えども侯爵家と比べて立場の弱い子爵家としては、強く断るわけにもいかず……
また、いざ結婚となるまでは姑もザウダも大変人当たりのいい様子でルナリーに接したものですから。
その、良すぎる程の人面には少しばかり危機感を覚えたものの……
あまりに熱心に望まれていることに、ほだされてしまったことも確かです。
まだ結婚とするには年若いルナリーでしたが、こうも強く望まれている内に……と、結婚を決めたのでした。
(まぁ……今思い返してみると、熱心だったのは義母の方だったのですけれど……)
そして義母としても、おそらく夫のザウダとしても。
ルナリーに求めていたのは金蔓としての働きだけだったのでしょう。
両親を言い包めた侯爵家は、大量の持参金を用意するように使用人を通して知らせをして来ました。
上級貴族との付き合いは仕事上でしか……それも、鉱脈のために始めたばかりの付き合いです。
それが慣習だと言われてしまえば、人もよくこのような経験が少ない両親は信じ込んでしまって……
姑からは、一年経っても子供が出来ないなんて……と、さんざん言われて来ましたが。
そもそも、ルナリーとザウダには夫婦でありながら、ろくろく話したことすらなかったのです。
この縁談が持ち上がったことも、ルナリーの生家である子爵家所有の領地で鉱脈が見つかったことが発端でした。
国内外で高値に取引される鉱物が見つかったことから子爵家は資産を爆発的に増やし、その噂を耳聡く聞きつけた侯爵家からのたっての頼みで叶えられた婚姻です。
資産は増えども侯爵家と比べて立場の弱い子爵家としては、強く断るわけにもいかず……
また、いざ結婚となるまでは姑もザウダも大変人当たりのいい様子でルナリーに接したものですから。
その、良すぎる程の人面には少しばかり危機感を覚えたものの……
あまりに熱心に望まれていることに、ほだされてしまったことも確かです。
まだ結婚とするには年若いルナリーでしたが、こうも強く望まれている内に……と、結婚を決めたのでした。
(まぁ……今思い返してみると、熱心だったのは義母の方だったのですけれど……)
そして義母としても、おそらく夫のザウダとしても。
ルナリーに求めていたのは金蔓としての働きだけだったのでしょう。
両親を言い包めた侯爵家は、大量の持参金を用意するように使用人を通して知らせをして来ました。
上級貴族との付き合いは仕事上でしか……それも、鉱脈のために始めたばかりの付き合いです。
それが慣習だと言われてしまえば、人もよくこのような経験が少ない両親は信じ込んでしまって……
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