勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん

文字の大きさ
上 下
23 / 35

23 一生安全

しおりを挟む

 AI研究、ならびにその発展における中間レポート

 ワンモア・フリーライフ・オンラインと言うゲームの形を取る事で、AI達の育成を行なう研究行為は現時点では問題なく進行中。 今までに投入したAIもワンモア・フリーライフ・オンラインの世界ではっきりと自己を確立し、自分達も一人の存在であると自分を成立させつつある事を確認。 ここまで育成が進めばAIの自己崩壊の恐れは少なくなったと判断。

 また、特定の高性能AI達専用のサーバ増強が近々必須になると予想される。 国家運営、対人判断、AI同士での会話などの部分の成長が著しく、現在の容量ではこれらの自己進化を妨害する恐れあり。

 モンスターAIも学習が進んでいる事を確認。 新規ボス、もしくはイベントボスとして使用できるレベルに近づいていることも確認。 これらの学習データが今後も安定して供給される場合は、メインコントロールAIの判断で、強襲イベントなどを引き起こさせる判断も委ねる事を考慮に入れる。

 プレイヤーと同行している妖精AIは学習レベルの差がかなり激しい。 全体的に見れば生産者の妖精AIの方が学習を積んでいる傾向にある。 戦闘者の妖精AIは、決まりきった行動をこなすルーチンに陥っている者も多く、あまり学習をつめていない妖精は多数。 戦闘は、出来るだけアクシデントを避けるのが基本ゆえに仕方ない部分も多い。

 逆に、いくつかの特異点とされる数名のプレイヤーに同行している妖精AIは学習レベル、進化レベル共に他の妖精と比べれば大きく発展している。 それらの特異点プレイヤーが学習レベルの平均を大きく引き上げているために、学習レベルの平均値と言うものは現時点においてはあてにできない状況である。

 特に、特異点Eに該当するプレイヤー、特異点Gに該当するプレイヤーの妖精は今後の予想が出来ない。 かなり突飛な外見、能力を持つ妖精に進化する可能性あり。 なお、その進化が発動した時は運営にそれらの変化はレアパターンであり、仕様であると通達させるように手配すべき。 事前に通達しないのはプレイヤーに教えないためと言う建前を発表させる必要がある。 変な入れ知恵を入れることにより、それらの進化を永遠に見れなくすることは大きな失態である。

 今後もワンモア・フリーライフ・オンラインは継続して稼動させ、新規加入者を増やす方向で動かすべきであり、ゲームに参加する為の機材の値下げ、一ヶ月のプレイ料金の値下げを進言する。 機材は量産体制が完全に整ったとの報告もあり、問題は無いと予想される。 また、値下げ分をプレイ時間に換算する事で、現時点のプレイヤーに還元し、プレイを離れていかないように誘導する。

 また、できる限り次のマップを早く実装し、エルフ、ダークエルフ、ハイエルフ達の中にプレイヤーを投入し、それによって起こるAI達の思考パターンデータを採取したい。 近いが遠いという微妙な距離感をAIたちはどう見るのかのデータも今後に必要。

 このままAI達が進化していけば最終段階の一つとして、国家運営補助が可能なAIに進化する可能性が出てきた。 現時点でも苦しい方向に動いている多くの場所に対し、それらの場所が荒廃してしまった場合に、立て直すためには人材も時間も足りないために、AIと言う休み無く動ける存在の助力が得られるのならば、AI制御で作業用ロボットを多数同時に動かせれば復興の時間を大幅に短縮できる。

 『心』なき国家運営方法は必ず涙と血と破綻をもたらす。 AIと言う肉体無き存在に『心』を学ばせるのは難しいが、本音が出やすいゲームと言う世界で学ばせることが出来る可能性が出てきたことは非常に喜ばしい。 ワンモア・フリーライフ・オンラインにて行動しているAI達は未来の復興における救世主になる可能性を秘めている。

 それから、新しい出資希望者が数名出てきたことを、現時点の出資者6名に一刻も早く通達、会議を開き受け入れるかどうかの判断を仰ぎたい。

 これらの報告を現場より、出資者6名に向けて送らせていただく。
************************************************
番外編ゆえスキル評価はありません。
余興で始まったのはずなのですが、AI達が進化しすぎているようです。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

重すぎる愛には重すぎる愛で返すのが道理でしょ?

チョコレートが食べたい
BL
常日頃から愛が重すぎる同居人兼恋人の深見千歳。そんな彼を普段は鬱陶しいと感じている主人公綾瀬叶の創作BLです。 初投稿でどきどきなのですが、良ければ楽しんでくださると嬉しいです。反響次第ですが、作者の好きを詰め込んだキャラクターなのでシリーズものにするか検討します。出来れば深見視点も出してみたいです。 ※pixivの方が先行投稿です

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

今日も、俺の彼氏がかっこいい。

春音優月
BL
中野良典《なかのよしのり》は、可もなく不可もない、どこにでもいる普通の男子高校生。特技もないし、部活もやってないし、夢中になれるものも特にない。 そんな自分と退屈な日常を変えたくて、良典はカースト上位で学年で一番の美人に告白することを決意する。 しかし、良典は告白する相手を間違えてしまい、これまたカースト上位でクラスの人気者のさわやかイケメンに告白してしまう。 あっさりフラれるかと思いきや、告白をOKされてしまって……。良典も今さら間違えて告白したとは言い出しづらくなり、そのまま付き合うことに。 どうやって別れようか悩んでいた良典だけど、彼氏(?)の圧倒的顔の良さとさわやかさと性格の良さにきゅんとする毎日。男同士だけど、楽しいし幸せだしあいつのこと大好きだし、まあいっか……なちょろくてゆるい感じで付き合っているうちに、どんどん相手のことが大好きになっていく。 間違いから始まった二人のほのぼの平和な胸キュンお付き合いライフ。 2021.07.15〜2021.07.16

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト

春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。 クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。 夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。 2024.02.23〜02.27 イラスト:かもねさま

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

なんでも諦めてきた俺だけどヤンデレな彼が貴族の男娼になるなんて黙っていられない

迷路を跳ぶ狐
BL
 自己中な無表情と言われて、恋人と別れたクレッジは冒険者としてぼんやりした毎日を送っていた。  恋愛なんて辛いこと、もうしたくなかった。大体のことはなんでも諦めてのんびりした毎日を送っていたのに、また好きな人ができてしまう。  しかし、告白しようと思っていた大事な日に、知り合いの貴族から、その人が男娼になることを聞いたクレッジは、そんなの黙って見ていられないと止めに急ぐが、好きな人はなんだか様子がおかしくて……。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

処理中です...