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第四十五章
1419 価値ある人生を……
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( ジャリー )
「 こ、こ、このクソガキィィィィィッ!!!!!
俺の……俺の指をよくもぉぉぉぉぉぉ!!!!!! 」
大声で怒鳴り散らしながら、私に向かって走ってくる男の姿を見て、私は悟る。
これで終わりだ。
私の ” 生 ” は。
” 死 ” を前にして、私はそれを正しく理解した 。
死ぬことはとても怖い事だ。
この世から自分がいなくなるという事だから。
でも────……。
「 …………フッ。 」
それを知っているというのに、私の口から漏れたのは笑い声だった。
体は、その恐怖を上回る熱くビリビリとした感覚に支配され、心はガンガンと叩かれ続ける。
戦え!
戦え!!
自分という存在をココに刻め!!!
そう叫び続ける声が止め処無く溢れてくる心を感じ、私はずっと感じていた妙な感覚の正体を知る。
それは──── ” 怒り ” だった。
理不尽に周りから価値を勝手に決められ、なじられては捨てられる事を当たり前だと受け入れてしまう ” 自分 ” に対する怒り……。
他人が言う価値など、要は自分にとって都合がいいモノか悪いモノかで、あっさりと変わるクソみたいなモノなのに……何を大人しくそれに従っているのか。
そんなモノに負けるな!!
戦え!!
抗え!!!
真っ暗な心の中でそう叫び続けていたのは────────……自分だった。
私はもう動かないと思った体を必死に動かし、こちらに鬼の形相で向かってくる男の方へ、もう殆ど見えない目をしっかり向けて睨みつける。
目にダメージを負ったのか、それとも目が腫れているからかは分からない。
しかしそんな事など気にならないくらい体中が痛くて……でも、それでも私は立つ。
「 うおおぉぉぉぉぉぉぉ────────!!!!! 」
そして己の全てを出し切ってやると力のかぎり叫び、最後の最後まで戦ってやる!!と、拳を握ったその瞬間────……!
「 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────!!!!!!! 」
突然大声で叫ぶ第三者の声が聞こえ、更にこの声の主らしき小さな影が走ってくる男に飛びついた。
ルビーだった。
ルビーはいつもの無表情など微塵も感じられないくらいの必死の形相をしていて、目は血走り、ダラダラと大量の涙を流していて……でもメラメラ、グツグツとマグマの様に熱いモノが瞳の奥に見える。
「 ────っ!!???なっ!!別のガキっ?! 」
走っていた男が驚きながら、ルビーを引き離そうとしたが、なんとルビーは私同様、男の指に噛みついたのだ!
「 ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!! 」
私によって千切れる寸前だった指と、今度は反対の方の指……男は堪らず絶叫し、ルビーを殴りつけ、そのまま振り回して叩きつけてとどうにか振り払おうとしたが、ルビーは離れなかった。
ボコボコに変形していくルビーの顔を見て、ルビーを買い取った娼館の客はヒステリックに叫ぶ。
「 わぁぁぁぁぁ!!!か、顔がっ!!や、やめろぉぉぉ────!! 」
しかし噛みつかれている男は、なんとかその痛みから開放される事しか考えていない様だ。
そのままルビーを殴り続け、とうとう限界がきたらしいルビーを思い切り殴り、ふっとばした。
────ドサッ!!
…………ゴロゴロ~……。
ルビーの細くて軽い体は、大きく吹っ飛び、私より少し後ろへと転がっていく。
「 ル……ルビ…………! 」
息苦しさに耐えながら、息も絶え絶えでルビーの名を呼ぶと、ルビーはヨロヨロと起き上がり、ギロッ!!と男と客たち全員を睨みつけた。
「 私は……わたし……達は……っ……。
お前たちの都合のいい道具じゃないっ!!
私達の価値を……勝手に……決めるなぁぁぁぁぁぁぁぁ────────!!!! 」
初めて聞いたルビーの叫び声にギョッとした直後、ルビーはその場に血を吐いて倒れてしまう。
そんなルビーを見て、ルビーを買った客は、ハァ~……と面倒くさそうにため息をついた。
「 綺麗でも、こんなに反抗的な子は使えないよ。
全く役に立たないね。いらん、こんなの。 」
チッ!と舌打ちをすると、他の買い手達も揃って汚い様なモノを見るかの様な目でルビーを見る。
自分たちに従わない様なら役立たず。
だって自分の都合の良いように使えないから。
それはイコール全て無価値なのだ。
下らない基準。
そんなモノで、あっと言う間にこいつらのいう価値は変わるんだ。
────馬鹿みたいだ。
そんな空っぽな言葉を気にしていた自分が。
そんなモノに振り回されてきた自分の滑稽さに、クックっ……と笑いを漏らしながら、私や同じ様に戦ったルビーを ” 役立たず ” と罵る言葉の全てが、私にとっては ” 無価値 ” だなとボンヤリ思った。
私は油断したら倒れそうになる足を必死に踏みしめて、こちらを憎しみまみれで睨んでいる男と他の客たちを睨みつける。
最後の最後まで、私は私の価値があると思う人生を生き抜いてやる……!
地面に落ちている木の枝を拾い上げ、それをスッ……と構えたその時だった。
「 こ、こ、このクソガキィィィィィッ!!!!!
俺の……俺の指をよくもぉぉぉぉぉぉ!!!!!! 」
大声で怒鳴り散らしながら、私に向かって走ってくる男の姿を見て、私は悟る。
これで終わりだ。
私の ” 生 ” は。
” 死 ” を前にして、私はそれを正しく理解した 。
死ぬことはとても怖い事だ。
この世から自分がいなくなるという事だから。
でも────……。
「 …………フッ。 」
それを知っているというのに、私の口から漏れたのは笑い声だった。
体は、その恐怖を上回る熱くビリビリとした感覚に支配され、心はガンガンと叩かれ続ける。
戦え!
戦え!!
自分という存在をココに刻め!!!
そう叫び続ける声が止め処無く溢れてくる心を感じ、私はずっと感じていた妙な感覚の正体を知る。
それは──── ” 怒り ” だった。
理不尽に周りから価値を勝手に決められ、なじられては捨てられる事を当たり前だと受け入れてしまう ” 自分 ” に対する怒り……。
他人が言う価値など、要は自分にとって都合がいいモノか悪いモノかで、あっさりと変わるクソみたいなモノなのに……何を大人しくそれに従っているのか。
そんなモノに負けるな!!
戦え!!
抗え!!!
真っ暗な心の中でそう叫び続けていたのは────────……自分だった。
私はもう動かないと思った体を必死に動かし、こちらに鬼の形相で向かってくる男の方へ、もう殆ど見えない目をしっかり向けて睨みつける。
目にダメージを負ったのか、それとも目が腫れているからかは分からない。
しかしそんな事など気にならないくらい体中が痛くて……でも、それでも私は立つ。
「 うおおぉぉぉぉぉぉぉ────────!!!!! 」
そして己の全てを出し切ってやると力のかぎり叫び、最後の最後まで戦ってやる!!と、拳を握ったその瞬間────……!
「 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────!!!!!!! 」
突然大声で叫ぶ第三者の声が聞こえ、更にこの声の主らしき小さな影が走ってくる男に飛びついた。
ルビーだった。
ルビーはいつもの無表情など微塵も感じられないくらいの必死の形相をしていて、目は血走り、ダラダラと大量の涙を流していて……でもメラメラ、グツグツとマグマの様に熱いモノが瞳の奥に見える。
「 ────っ!!???なっ!!別のガキっ?! 」
走っていた男が驚きながら、ルビーを引き離そうとしたが、なんとルビーは私同様、男の指に噛みついたのだ!
「 ぎゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!! 」
私によって千切れる寸前だった指と、今度は反対の方の指……男は堪らず絶叫し、ルビーを殴りつけ、そのまま振り回して叩きつけてとどうにか振り払おうとしたが、ルビーは離れなかった。
ボコボコに変形していくルビーの顔を見て、ルビーを買い取った娼館の客はヒステリックに叫ぶ。
「 わぁぁぁぁぁ!!!か、顔がっ!!や、やめろぉぉぉ────!! 」
しかし噛みつかれている男は、なんとかその痛みから開放される事しか考えていない様だ。
そのままルビーを殴り続け、とうとう限界がきたらしいルビーを思い切り殴り、ふっとばした。
────ドサッ!!
…………ゴロゴロ~……。
ルビーの細くて軽い体は、大きく吹っ飛び、私より少し後ろへと転がっていく。
「 ル……ルビ…………! 」
息苦しさに耐えながら、息も絶え絶えでルビーの名を呼ぶと、ルビーはヨロヨロと起き上がり、ギロッ!!と男と客たち全員を睨みつけた。
「 私は……わたし……達は……っ……。
お前たちの都合のいい道具じゃないっ!!
私達の価値を……勝手に……決めるなぁぁぁぁぁぁぁぁ────────!!!! 」
初めて聞いたルビーの叫び声にギョッとした直後、ルビーはその場に血を吐いて倒れてしまう。
そんなルビーを見て、ルビーを買った客は、ハァ~……と面倒くさそうにため息をついた。
「 綺麗でも、こんなに反抗的な子は使えないよ。
全く役に立たないね。いらん、こんなの。 」
チッ!と舌打ちをすると、他の買い手達も揃って汚い様なモノを見るかの様な目でルビーを見る。
自分たちに従わない様なら役立たず。
だって自分の都合の良いように使えないから。
それはイコール全て無価値なのだ。
下らない基準。
そんなモノで、あっと言う間にこいつらのいう価値は変わるんだ。
────馬鹿みたいだ。
そんな空っぽな言葉を気にしていた自分が。
そんなモノに振り回されてきた自分の滑稽さに、クックっ……と笑いを漏らしながら、私や同じ様に戦ったルビーを ” 役立たず ” と罵る言葉の全てが、私にとっては ” 無価値 ” だなとボンヤリ思った。
私は油断したら倒れそうになる足を必死に踏みしめて、こちらを憎しみまみれで睨んでいる男と他の客たちを睨みつける。
最後の最後まで、私は私の価値があると思う人生を生き抜いてやる……!
地面に落ちている木の枝を拾い上げ、それをスッ……と構えたその時だった。
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